
目次
記事の要約
- ロームのSiC MOSFET搭載パワーモジュール採用
- SMAの新型太陽光システムに搭載
- 高効率・長寿命化に貢献
ローム製SiC MOSFET搭載パワーモジュール採用に関するニュース
セミクロンダンフォス株式会社は2025年5月12日、ローム株式会社の最新2kV SiC MOSFETを搭載したパワーモジュール「SEMITRANS® 20」が、SMAソーラーテクノロジー株式会社の新型ソーラーシステム「Sunny Central FLEX」に採用されたと発表した。このパワーモジュールは、大規模太陽光発電設備向けに設計されており、高効率で長寿命なシステムを実現するのだ。
SMAの「Sunny Central FLEX」は、モジュラー型プラットフォームを採用し、電力網の効率化と安定性の向上を目指している。ロームのSiC MOSFETは、1,500V DCリンク向けにシンプルかつ高効率なコンバータ回路を実現する設計で、宇宙線に対する耐性も備えているため、太陽光発電分野の厳しい環境条件にも対応できる。既に量産を開始している。
セミクロンダンフォスとロームは10年以上にわたりSiC技術の導入で協力しており、今回の採用は両社の技術力の高さを示すものだ。SEMITRANS® 20は、太陽光発電や蓄電システムだけでなく、高出力の電動トラック用充電器や風力発電用コンバータへの活用も期待されている。
SMAは、長年の専門知識を活かし、性能・信頼性・耐久性・柔軟性のすべてにおいて最高水準を満たすシステムを提供している。Sunny Central FLEXの高い基準を維持できるのは、同じ志を持つパートナーとの密接な協力関係の賜物である。
関連企業と製品
企業名 | 製品名 | 役割 |
---|---|---|
SMAソーラーテクノロジー株式会社 | Sunny Central FLEX | 新型ソーラーシステム |
セミクロンダンフォス株式会社 | SEMITRANS® 20 | パワーモジュール |
ローム株式会社 | 2kV SiC MOSFET | パワー半導体デバイス |
SiC MOSFETについて
SiC MOSFETは、シリコン(Si)に比べて高い耐圧と高速スイッチング特性を持つパワー半導体デバイスだ。これにより、電力変換効率の向上や小型化、省エネルギー化に貢献する。
- 高い耐圧
- 高速スイッチング特性
- 低損失
SiC MOSFETは、太陽光発電システムや電気自動車、産業機器など、様々な分野で活用されている。ロームの2kV SiC MOSFETは、特に高電圧・大電流用途に適している。
SiC MOSFET搭載パワーモジュール採用に関する考察
今回のSiC MOSFET搭載パワーモジュールの採用は、太陽光発電システムの高効率化・高信頼性化に大きく貢献するだろう。SiC MOSFETの高い耐圧と高速スイッチング特性により、電力損失を削減し、システム全体の効率を向上させることが期待できる。しかし、SiC MOSFETはコストが高いという課題もあるため、普及には価格の低減が重要となるだろう。
今後、SiC MOSFETの技術革新により、さらに高性能・低コストな製品が登場する可能性がある。また、パワーモジュール全体の小型化や統合化も進むことで、太陽光発電システムの設置面積の削減やメンテナンス性の向上に繋がるだろう。これらの技術革新によって、再生可能エネルギーの普及が加速し、持続可能な社会の実現に貢献する可能性がある。
さらに、SiC MOSFETの技術は、太陽光発電システム以外にも、電気自動車や産業機器など、様々な分野で活用できる。今後、SiC MOSFETの需要はますます増加すると予想されるため、関連企業の技術開発や生産能力の強化が重要となるだろう。これらの技術革新によって、より効率的で持続可能な社会の実現に貢献できる。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「ロームの最新2kV SiC MOSFETを搭載したセミクロンダンフォスのモジュールがSMAの太陽光システムに採用 | セミクロンダンフォス株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000161016.html, (参照 2025-05-13).