目次
記事の要約
- Qualcommはディスプレイ処理におけるバッファオーバーリード脆弱性CVE-2025-21475を公開した
- Snapdragonチップセットの一部製品に影響する高リスクの脆弱性だ
- DisplayIdに大きな符号なしの値を渡すとメモリ破損が発生する
Qualcomm Snapdragonチップセットの脆弱性情報
Qualcomm社は2025年5月6日、Snapdragonチップセットにおける深刻なセキュリティ脆弱性CVE-2025-21475を公開した。この脆弱性は、ディスプレイ処理中にエスケープコードを処理する際に、DisplayIdに大きな符号なしの値が渡されるとメモリ破損を引き起こす可能性があるのだ。
CVSSスコアは7.8で、深刻度レベルはHIGHと評価されている。影響を受けるのはSnapdragon Compute、Snapdragon Industrial IOTプラットフォームの一部製品である。具体的には、AQT1000、FastConnect 6200、FastConnect 6700など多数のチップセットが影響を受けることが確認されている。
Qualcomm社は、この脆弱性に対処するためのアップデートを提供する予定だ。ユーザーは、Qualcomm社の公式ウェブサイトで最新のセキュリティ情報を確認し、速やかにアップデートを適用する必要がある。
影響を受ける製品と脆弱性情報
製品名 | 影響 |
---|---|
AQT1000 | 影響あり |
FastConnect 6200 | 影響あり |
FastConnect 6700 | 影響あり |
FastConnect 6800 | 影響あり |
FastConnect 6900 | 影響あり |
FastConnect 7800 | 影響あり |
QCA6391 | 影響あり |
QCA6420 | 影響あり |
QCA6430 | 影響あり |
QCM5430 | 影響あり |
QCM6490 | 影響あり |
QCS5430 | 影響あり |
QCS6490 | 影響あり |
Qualcomm Video Collaboration VC3 Platform | 影響あり |
SC8180X+SDX55 | 影響あり |
SC8380XP | 影響あり |
SM6250 | 影響あり |
Snapdragon 7c Compute Platform (SC7180-AC) | 影響あり |
Snapdragon 7c Gen 2 Compute Platform (SC7180-AD) “Rennell Pro” | 影響あり |
Snapdragon 7c+ Gen 3 Compute | 影響あり |
Snapdragon 8c Compute Platform (SC8180X-AD) “Poipu Lite” | 影響あり |
Snapdragon 8c Compute Platform (SC8180XP-AD) “Poipu Lite” | 影響あり |
Snapdragon 8cx Compute Platform (SC8180X-AA, AB) | 影響あり |
Snapdragon 8cx Compute Platform (SC8180XP-AC, AF) “Poipu Pro” | 影響あり |
Snapdragon 8cx Gen 2 5G Compute Platform (SC8180X-AC, AF) “Poipu Pro” | 影響あり |
Snapdragon 8cx Gen 2 5G Compute Platform (SC8180XP-AA, AB) | 影響あり |
Snapdragon 8cx Gen 3 Compute Platform (SC8280XP-AB, BB) | 影響あり |
WCD9340 | 影響あり |
WCD9341 | 影響あり |
WCD9370 | 影響あり |
WCD9375 | 影響あり |
WCD9380 | 影響あり |
WCD9385 | 影響あり |
WSA8810 | 影響あり |
WSA8815 | 影響あり |
WSA8830 | 影響あり |
WSA8835 | 影響あり |
WSA8840 | 影響あり |
WSA8845 | 影響あり |
WSA8845H | 影響あり |
バッファオーバーリード脆弱性について
バッファオーバーリードとは、プログラムがメモリ領域の境界を超えてデータを読み込んでしまう脆弱性のことだ。これは、プログラムが予期しないデータを読み込むことで、クラッシュやデータの改ざん、さらには任意のコード実行といった深刻な問題を引き起こす可能性がある。
- メモリ領域の境界チェックの欠如
- 入力データの検証不足
- 配列のインデックスエラー
この脆弱性を防ぐためには、プログラムのコーディング時にメモリ領域の境界チェックを徹底し、入力データの検証を適切に行う必要がある。また、安全なプログラミング手法を遵守し、定期的なセキュリティ監査を実施することも重要だ。
CVE-2025-21475に関する考察
Qualcommが公開したCVE-2025-21475は、多くのSnapdragon製品に影響を与える深刻な脆弱性であるため、迅速な対応が求められる。アップデートの適用が遅れると、サイバー攻撃の標的となり、機密情報の漏洩やシステムの破壊といった被害を受ける可能性がある。
今後、この脆弱性を悪用した攻撃が増加する可能性も考えられる。そのため、Qualcommはアップデートの提供だけでなく、ユーザーへの啓発活動も強化する必要があるだろう。また、将来的な脆弱性対策として、より堅牢なセキュリティ設計や、自動化された脆弱性検知システムの導入も検討すべきだ。
さらに、この脆弱性の発見は、セキュリティ対策の重要性を改めて認識させるものだ。企業は、自社の製品やサービスにおけるセキュリティリスクを常に監視し、迅速な対応体制を構築することが不可欠である。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-21475」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-21475, (参照 2025-05-13).