
目次
記事の要約
- ブラジルの製薬メーカーApsen Farmacêuticaが、リミニストリートとServiceNowを活用したワークフロー自動化を実現
- SAP ECC 6 ERPプラットフォームへの投資の見直しを行い、S/4HANAへの移行を回避
- ServiceNowの統合ソリューションにより、業務プロセスの自動化と効率化を実現
リミニストリートとServiceNowによるApsen Farmacêuticaのワークフロー自動化
リミニストリートとServiceNowは2025年5月7日、ブラジルの製薬メーカーApsen Farmacêuticaとの連携を発表した。Apsen Farmacêuticaは、既存のSAP ECC 6 ERPプラットフォームにServiceNowを統合することで、ワークフローの自動化と業務効率の向上を実現したのだ。
この取り組みは、SAPが2027年をもってSAP ECC 6のサポートを終了することを受け、高コストでリスクの高いS/4HANAへの移行を回避する戦略の一環として行われた。リミニストリートは、Apsen Farmacêuticaの既存のSAP ECC 6 ERPシステムに対して包括的なサポートを提供することで、この移行回避を可能にしたのである。
ServiceNowのソリューション導入により、Apsen Farmacêuticaはこれまで大きな手作業を必要としていたプロセスの70%を自動化し、新規プロセスの開発期間を数か月から数週間に短縮することに成功した。運用コストの削減とスピード、効率性の向上も実現している。
さらに、高度な専門チームへの依存を削減し、組織全体における業務プロセス開発の自律性を促進した。この成功事例は、企業が既存システムを維持しつつ、イノベーション投資を促進できることを示しているのだ。
Apsen FarmacêuticaのERPモダナイゼーション
項目 | 詳細 |
---|---|
企業名 | Apsen Farmacêutica |
業種 | 製薬メーカー |
国 | ブラジル |
既存システム | SAP ECC 6 ERP |
導入システム | ServiceNow |
サポート提供 | リミニストリート |
目的 | ワークフロー自動化、業務効率化、S/4HANA移行回避 |
成果 | 手作業プロセスの70%自動化、新規プロセス開発期間短縮 |
ServiceNowとリミニストリートの連携
ServiceNowは、エンタープライズ向けのクラウドベースのワークフロー自動化プラットフォームを提供する企業だ。リミニストリートは、Oracle、SAPなどのエンタープライズソフトウェアに対する第三者保守サービスを提供している。
- ServiceNowによるワークフロー自動化
- リミニストリートによる既存システムのサポート
- 両社の連携によるコスト削減とイノベーション促進
この連携により、企業は既存システムを維持しながら、最新のテクノロジーを活用したワークフロー自動化を実現できる。アップグレードや移行に伴うコストやリスクを回避しながら、ビジネスの効率化とイノベーションを推進できるのだ。
Apsen Farmacêuticaの取り組みに関する考察
Apsen Farmacêuticaの取り組みは、既存システムの有効活用とデジタル変革を両立させる優れた事例だと言える。コスト削減と業務効率化を同時に実現し、ビジネスの俊敏性を高めている。しかし、ServiceNowの導入や運用には、適切なスキルを持つ人材の確保や、システムの統合・管理に関する課題も発生する可能性があるだろう。
起こりうる問題への対策としては、リミニストリートやServiceNowといったベンダとの連携を強化し、継続的なサポート体制を構築することが重要だ。また、従業員のトレーニングプログラムを実施し、システムの運用スキル向上を図ることも必要となるだろう。
今後、Apsen Farmacêuticaは、他の業務プロセスへの自動化拡大や、AIを活用した高度な分析機能の導入などを検討していくことが期待される。この取り組みが、製薬業界におけるデジタル変革を加速させる一助となることを期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「リミニストリートとServiceNow, Inc.、ブラジルの製薬メーカーApsen Farmacêuticaと連携、エンタープライズ全体の次世代ワークフロー自動化を実現 | 日本リミニストリート株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000125.000013713.html, (参照 2025-05-14).