
目次
記事の要約
- 川口弘行合同会社が生成AIシステム「プロキュアテック プライベートAI」を発表
- 外部ネットワーク隔離環境で安全に生成AI利用可能
- マルチモーダルLLM対応で、テキスト、画像、音声データ処理が可能
川口弘行合同会社が生成AIシステム「プロキュアテック プライベートAI」を発表
川口弘行合同会社は2025年5月13日、完全に外部ネットワークから隔離された環境で安全に利用可能な生成AIシステム「プロキュアテック プライベートAI」を公開した。このシステムは、複数の生成AIエンジン(LLM)を搭載し、外部との接続を必要とせずに利用できる点が特徴だ。
最新のモデルへの差し替えも可能であり、オープンモデルのLLMを活用することで、AI利用にかかるコストを抑制できる。マルチモーダルLLMを採用することで、テキストのみならず、画像データや音声データの処理にも対応可能である。
庁内ネットワーク上に設置することで、外部と完全に隔離され、安全にAIを利用できる。GPT-4相当のマルチモーダルAI、高度推論型AI、軽量型AIを組み合わせて使用することで、効率的な処理が可能になるのだ。
Open WebUIを採用したユーザインターフェースにより、ChatGPTライクな操作画面で複数ユーザーによる運用をサポートする。職員ごとにアカウントを発行することもできる。
プロキュアテック プライベートAIの機能と特徴
機能 | 詳細 |
---|---|
完全隔離環境 | 庁内ネットワーク上に設置、外部との完全隔離 |
柔軟なモデル構成 | GPT-4相当のマルチモーダルAI、高度推論型AI、軽量型AIに対応 |
コスト削減 | オープンモデル採用によるコスト抑制 |
ユーザーインターフェース | Open WebUI採用、ChatGPTライクな操作画面 |
AIワークフロー機能 | 職員によるAIワークフロー編集が可能 |
プロキュアテックバックエンドAI連携 | プロキュアテック(LGWAN-ASP)との連携による外部LLM拡張利用 |
MCP対応 | MCPによる外部サービスとの連携容易化 |
マルチモーダルLLM | 画像データの直接処理が可能 |
LLMについて
LLMとは、Large Language Modelの略で、大量のテキストデータから学習した大規模言語モデルのことだ。自然言語処理において高度な能力を発揮し、テキスト生成、翻訳、要約、質問応答など様々なタスクを実行できる。
- 大量のデータ学習による高度な自然言語処理能力
- テキスト生成、翻訳、要約など幅広いタスクに対応
- 継続的な学習による性能向上
本システムでは、オープンモデルのLLMを採用することで、コストを抑えつつ高性能なAI機能を実現しているのだ。
プロキュアテック プライベートAIに関する考察
「プロキュアテック プライベートAI」は、機密性の高いデータを取り扱う行政機関にとって、非常に有用なシステムであると言える。外部ネットワークからの隔離によりセキュリティリスクを低減し、かつ、最新のLLMモデルへの柔軟な対応が可能である点は大きなメリットだ。しかし、導入にあたっては、システムの運用・保守にかかるコストや、職員の教育・トレーニングが必要となるだろう。
今後起こりうる問題としては、LLMモデルのアップデートに伴うシステムの不具合や、想定外のデータ入力による誤動作などが考えられる。これらへの対策として、定期的なシステムメンテナンスや、データ入力に関するガイドラインの作成、そして、万が一の事態に備えたバックアップ体制の構築が重要となる。また、AIワークフロー機能の拡張や、より多様なデータ形式への対応など、更なる機能強化も期待したい。
将来的には、他の庁内システムとの連携強化や、AIによる業務自動化の更なる推進によって、行政業務の効率化と高度化に大きく貢献することが期待できる。継続的なアップデートと機能改善によって、より多くの行政機関で活用されることを期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「外部ネットワークから完全隔離された環境で生成AIが使えるーーー「プロキュアテック プライベートAI」サービス提供のお知らせ | 川口弘行合同会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000068645.html, (参照 2025-05-14).