目次
記事の要約
- MicrosoftがEdge for Businessのセキュリティコネクターフレームワークを発表
- 主要セキュリティソリューションとの連携でブラウザのセキュリティを強化
- Cisco Duo、CrowdStrike、Splunk、Ping Identityなどのコネクターが利用可能に
Edge for Business向けセキュリティコネクターフレームワーク発表
Microsoftは2025年4月28日、Edge for Business向けのセキュリティコネクターフレームワークを発表した。この新機能により、認証、データ損失防止、レポートソリューションとブラウザを容易に接続できるようになる。Microsoftはセキュリティを最優先事項と考えており、多くのセキュリティパートナーと協力して、Edge for Businessがユーザーのセキュリティソリューションと深く統合されるように努めている。
現代のワークプレイスでは、業務の多くがブラウザ上で行われるため、ブラウザは企業リソースやAIツールへの入り口となっている。そのため、安全なエンタープライズブラウザを持つことが重要であり、最新のクラウド環境における重要なエンドポイントとなる。今回の発表は、現代の職場のセキュリティ要件を満たす信頼できるパートナーエコシステムの立ち上げを示すものであり、既存の環境とシームレスに連携し、追加費用はかからない。
Cisco Duo、CrowdStrike、Splunk、Ping Identityからのコネクターが一般提供されており、Symantec、RSA、Omnissa、Devicie、HYPRからのコネクターがプレビューで利用可能だ。これらの連携により、相互の顧客はサイバー脅威の一歩先を行き、セキュリティ投資をEdge for Businessブラウザにまで拡大できるようになる。
Edge for Businessセキュリティコネクターの種類
コネクターの種類 | 概要 |
---|---|
デバイス信頼 | IDおよびアクセス管理ツールとEdge for Businessを統合し、不正なデバイスからのアクセスをブロック。 |
レポート | Edge for Businessのブラウザベースのセキュリティイベントをセキュリティソリューションに直接報告し、セキュリティインサイトの一元的な情報源を提供。 |
データ損失防止 | DLPソリューションをブラウザに直接統合し、機密データの印刷、貼り付け、アップロードを監視およびブロック。 |
データ損失防止(DLP)について
データ損失防止(DLP)とは、組織内の機密情報が不正に利用されたり、外部に漏洩したりするのを防ぐための技術や対策のことを指す。主な機能は以下の通りだ。
- 機密データの識別と分類
- データ利用状況の監視と制御
- 不正なデータ転送の防止
Edge for BusinessにDLPソリューションを統合することで、ブラウザを介したデータ漏洩リスクを低減し、企業のデータセキュリティ戦略を強化することが可能になる。印刷、貼り付け、アップロードといった操作を監視し、機密情報の不正な利用を未然に防ぐことができる。
Edge for Businessのセキュリティコネクターに関する考察
Edge for Businessにセキュリティコネクターフレームワークが導入されたことは、企業がブラウザのセキュリティを強化し、サイバー脅威からより効果的に保護するための重要な一歩となるだろう。特に、主要なセキュリティソリューションとの連携により、既存のセキュリティ投資を最大限に活用できる点が評価できる。
今後の課題としては、コネクターの互換性やパフォーマンスに関する問題が挙げられる可能性がある。異なるセキュリティソリューション間での連携がスムーズに行われるように、Microsoftとパートナー企業との継続的な協力が不可欠だ。また、コネクターの導入や設定が複雑にならないように、ユーザーフレンドリーなインターフェースを提供することも重要だろう。
将来的には、AIを活用した脅威検出や自動修復機能がコネクターに組み込まれることで、より高度なセキュリティ対策が実現することが期待される。また、ゼロトラストアーキテクチャをサポートする機能が強化されることで、企業のセキュリティ体制全体が向上するだろう。
参考サイト/関連サイト
- Windows Blog.「Introducing Edge for Business security connectors」.https://blogs.windows.com/msedgedev/2025/04/28/introducing-edge-for-business-security-connectors/, (参照 2025-04-29).