目次
記事の要約
- D-Link DIR-880Lの脆弱性CVE-2025-4341が公開された
- Request Header Handlerのsub_16570関数にコマンドインジェクションの脆弱性
- HTTP_ST/REMOTE_ADDR/REMOTE_PORT/SERVER_ID引数の操作で攻撃可能
D-Link DIR-880Lにおけるコマンドインジェクション脆弱性
VulDBは2025年5月6日、D-Link DIR-880Lルーターのバグトラッキングシステムに登録されている脆弱性CVE-2025-4341に関する情報を公開した。この脆弱性は、ルーターの/htdocs/ssdpcgiファイル内のRequest Header Handlerコンポーネントのsub_16570関数に存在する。攻撃者は、特定のHTTPリクエストヘッダーを操作することで、コマンドインジェクションを実行できるのだ。
この脆弱性は、バージョン1.04WWb01以前のD-Link DIR-880Lに影響を与える。攻撃はリモートから実行可能であり、公開されているエクスプロイトも存在する。そのため、迅速な対策が求められる。既にD-Link社はサポートを終了している製品であるため、ユーザーは最新のファームウェアへのアップデートやルーターの交換を検討する必要があるだろう。
CVE-2025-4341は、深刻度が「MEDIUM」と評価されている。CVSSスコアは、3.0から6.5まで複数の値が報告されている。これは、攻撃の複雑さや影響範囲によって異なるためだ。ユーザーは、この脆弱性を利用した攻撃からシステムを守るために、適切なセキュリティ対策を講じる必要がある。
この脆弱性情報は、VulDBのデータベースに登録されている。VulDBは、世界中のセキュリティ研究者によって報告された脆弱性情報を収集・公開するプラットフォームである。このプラットフォームの情報は、セキュリティ専門家やシステム管理者にとって貴重な情報源となるだろう。
脆弱性詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性名 | CVE-2025-4341 |
影響を受ける製品 | D-Link DIR-880L (バージョン1.04WWb01以前) |
脆弱性の種類 | コマンドインジェクション |
影響を受ける関数 | /htdocs/ssdpcgiのsub_16570 |
攻撃ベクトル | リモート |
CVSSスコア | 3.0~6.5 |
公開日 | 2025-05-06 |
コマンドインジェクションについて
コマンドインジェクションとは、攻撃者が悪意のあるコマンドをシステムに実行させる攻撃手法である。この攻撃は、アプリケーションがユーザーからの入力を適切に検証・サニタイズせずに、直接システムコマンドとして実行してしまう場合に発生する。
- 入力値の検証不足
- 適切なエスケープ処理の欠如
- パラメータの不正な処理
コマンドインジェクションを防ぐためには、ユーザーからの入力を適切に検証し、悪意のあるコードが含まれていないことを確認する必要がある。また、システムコマンドを実行する際には、パラメータを適切にエスケープするなどの対策も重要だ。
D-Link DIR-880L脆弱性に関する考察
D-Link DIR-880Lの脆弱性CVE-2025-4341は、サポート終了製品への影響という点で深刻だ。多くのユーザーが未だに古いルーターを使用している可能性があり、攻撃の標的となりやすい。迅速な対策が求められるが、メーカーによるサポートがないため、ユーザー自身による対策が不可欠である。
今後、同様の脆弱性が他のD-Link製品や他社製品でも発見される可能性がある。そのため、定期的なセキュリティアップデートや脆弱性情報の確認が重要となる。また、古い機器の使用はセキュリティリスクを高めるため、可能な限り新しい機器への交換を検討すべきだろう。
この脆弱性を踏まえ、セキュリティ意識の向上と、最新のセキュリティ技術の導入が求められる。企業や個人ユーザーは、セキュリティ対策を強化し、攻撃への備えを万全にする必要がある。セキュリティ対策の重要性を再認識し、適切な対策を講じることで、安全なネットワーク環境を構築できるのだ。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-4341」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-4341, (参照 2025-05-15).