目次
記事の要約
- Dell PowerProtect Data Manager Reportingの脆弱性CVE-2025-23376が公開された
- バージョン19.16、19.17、19.18にテンプレートエンジンにおける特殊要素の不適切な無効化の脆弱性がある
- ローカルアクセスを持つ高権限の攻撃者による情報漏洩の可能性がある
Dell PowerProtect Data Manager Reportingの脆弱性情報公開
Dell EMCは2025年4月28日、Dell PowerProtect Data Manager Reportingの脆弱性に関する情報を公開した。この脆弱性は、バージョン19.16、19.17、19.18に存在するテンプレートエンジンにおける特殊要素の不適切な無効化であることが明らかになっている。
この脆弱性を悪用されると、ローカルアクセスを持つ高権限の攻撃者によって情報漏洩が発生する可能性がある。Dellは、この脆弱性に対処するためのセキュリティアップデートを提供しているのだ。
影響を受けるバージョンは19.15.0から19.18.0-23までであり、それ以外のバージョンは影響を受けない。ユーザーは速やかにアップデートを実施し、システムの安全性を確保する必要がある。
この脆弱性は、CVSSスコアが2.3と低く評価されているものの、高権限の攻撃者による情報漏洩の可能性があるため、軽視すべきではない。迅速な対応が求められる。
脆弱性詳細と対応策
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性名 | CVE-2025-23376 |
影響を受ける製品 | Dell PowerProtect Data Manager Reporting |
影響を受けるバージョン | 19.15.0~19.18.0-23 |
脆弱性の種類 | テンプレートエンジンにおける特殊要素の不適切な無効化 |
攻撃ベクトル | ローカル |
攻撃難易度 | 低 |
権限レベル | 高 |
影響 | 情報漏洩 |
CVSSスコア | 2.3 (LOW) |
ベクター文字列 | CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:H/UI:N/S:U/C:L/I:N/A:N |
CWE-1336について
CWE-1336は、テンプレートエンジンにおける特殊要素の不適切な無効化を指す。テンプレートエンジンは、動的にコンテンツを生成する際に使用されるソフトウェアコンポーネントである。
- 特殊文字の適切なエスケープ処理が不足している
- 入力値の検証が不十分である
- 攻撃者が悪意のあるコードを挿入できる可能性がある
これらの欠陥により、攻撃者はスクリプトインジェクションなどの攻撃を実行し、システムを乗っ取ったり、機密情報を盗んだりすることが可能になるのだ。
Dell PowerProtect Data Manager Reporting脆弱性に関する考察
Dellによる迅速な脆弱性情報の公開と、セキュリティアップデートの提供は評価できる。これにより、ユーザーは早期に脆弱性を修正し、情報漏洩のリスクを軽減できるからだ。しかし、ローカルアクセスを持つ高権限の攻撃者しかこの脆弱性を悪用できないという点も考慮する必要がある。
今後、この脆弱性に関する新たな攻撃手法が発見される可能性も否定できない。そのため、Dellは継続的な監視と、必要に応じてさらなるアップデートを提供する体制を整えておくべきだろう。また、ユーザー側も定期的なシステムアップデートとセキュリティ対策の徹底が重要である。
将来的な対策としては、より堅牢なテンプレートエンジンを採用したり、入力値の検証を強化したりすることが考えられる。さらに、多要素認証などのセキュリティ対策を強化することで、攻撃者の侵入をより困難にすることも有効な手段となるだろう。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-23376」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-23376, (参照 2025-05-15).