TP-Link M7450にSQLインジェクション脆弱性、認証なしにリモートからSQLコマンド挿入が可能

記事の要約

  • TP-Link M7450にSQLインジェクションの脆弱性
  • 認証されていない攻撃者がSQLコマンドを挿入可能
  • CVSSスコアは9.8でCRITICALと評価

TP-Link M7450 4G LTEモバイルWi-FiルーターにSQLインジェクションの脆弱性

TP-Link M7450 4G LTEモバイルWi-Fiルーターのファームウェアバージョン1.0.2 Build 170306 Rel.1015nに、SQLインジェクションの脆弱性が存在することが2025年4月16日に公表された。この脆弱性により、認証されていない攻撃者がユーザー名とパスワードフィールドを介して悪意のあるSQLステートメントを挿入することが可能になる。

この脆弱性は、CVE-2025-29653として識別され、CVSSv3.1スコアは9.8で、深刻度「CRITICAL」と評価されている。攻撃はネットワーク経由で容易に実行可能であり、特別な権限を必要とせず、ユーザーの操作も不要であるため、広範囲に影響を及ぼす可能性がある。

CISA(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)は、この脆弱性に関する情報を2025年4月17日に更新し、SSVC(Stakeholder-Specific Vulnerability Categorization)とKEV(Known Exploited Vulnerabilities)のデータを提供している。この脆弱性はCWE-89(Improper Neutralization of Special Elements used in an SQL Command (‘SQL Injection’))として分類されている。

TP-Link M7450の脆弱性詳細

項目詳細
対象製品TP-Link M7450 4G LTE Mobile Wi-Fi Router
ファームウェアバージョン1.0.2 Build 170306 Rel.1015n
CVE IDCVE-2025-29653
CVSS v3.1スコア9.8 (CRITICAL)
脆弱性タイプSQL Injection (CWE-89)
脆弱性の詳細はこちら

SQLインジェクション(SQL Injection)について

SQLインジェクションとは、Webアプリケーションのセキュリティ上の脆弱性を利用した攻撃手法のことを指す。主な特徴は以下の通りだ。

  • SQLクエリに不正な文字列を挿入
  • データベース内の情報を不正に取得・改ざん
  • 認証回避や権限昇格に利用される

SQLインジェクション攻撃は、適切な入力値の検証やエスケープ処理を行うことで対策可能だ。開発者は、ユーザーからの入力を安全に処理するためのセキュリティ対策を講じる必要がある。

TP-Link M7450のSQLインジェクション脆弱性に関する考察

TP-Link M7450におけるSQLインジェクションの脆弱性は、攻撃者が認証なしにSQLコマンドを挿入できるという点で非常に深刻だ。CVSSスコアが9.8と評価されていることからも、早急な対策が必要であることがわかる。特に、モバイルWi-Fiルーターは外出先で使用されることが多いため、攻撃のリスクが高まる可能性があるだろう。

この問題に対して考えられる解決策としては、TP-Linkが速やかにファームウェアのアップデートを提供し、ユーザーがそれを適用することが重要だ。また、ユーザー自身も、ルーターのパスワードを複雑なものに変更したり、不要なポートを閉じたりするなどの対策を講じることが望ましい。さらに、ルーターの利用状況を常に監視し、不審なアクセスがないかを確認することも有効だろう。

今後は、このような脆弱性が発見されないように、TP-Linkをはじめとするネットワーク機器メーカーは、開発段階からセキュリティテストを徹底することが求められる。また、脆弱性が発見された場合の迅速な対応と情報公開も重要になるだろう。ユーザーが安心して製品を利用できるよう、継続的なセキュリティ対策の強化に期待したい。

参考サイト/関連サイト

  1. CVE.「CVE Record: CVE-2025-29653」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-29653, (参照 2025-04-29).

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