
目次
記事の要約
- PicoCELAが災害時通信ソリューション「災害備蓄Wi-Fi」を実証
- 衛星通信と組み合わせ、約15分でインターネット環境構築が可能に
- 通信知識不要で被災地からの迅速な情報伝達を実現
PicoCELA、大規模災害時における迅速なインターネット環境構築を15分で実現するソリューションを実証
PicoCELA株式会社は2025年5月14日、車両搭載の衛星通信設備と自社製品を組み合わせることで、・通信の専門知識がなくても約15分でインターネット環境を構築できることを実証したと発表した。このソリューションは、通信キャリア各社のサービスが途絶えた大規模災害時において、被災地からの迅速かつ正確な状況報告を可能にするのだ。
能登半島地震などの大規模災害では、既存通信インフラの途絶による早期復旧の困難さが課題となってきた。従来の対策では、専門知識を持つ技術者が現地に必要だったため、迅速なインターネット開通が難しいという問題があった。今回実証されたソリューションは、この課題を解決する画期的な技術と言えるだろう。
福岡県直方市との共同実証実験では、市職員が約15分でインターネット環境を構築し、Starlinkから400m離れた地点の画像を災害時情報共有システムへ伝送することに成功した。この実験により、「災害備蓄Wi-Fi」の簡便性と有効性が実証されたのだ。
このソリューションは、孤立が想定される地域の公的施設への備蓄を想定し、車両搭載による機動性を確保している。音声通話だけでは限界があった詳細な被害状況の伝達を、画像や動画による視覚的な情報伝達で可能にする。自治体や企業は、迅速かつ正確な被害状況把握による人命救助や復旧活動の支援が可能となる。
「災害備蓄Wi-Fi」の概要
項目 | 詳細 |
---|---|
製品名 | 災害備蓄Wi-Fi |
開発企業 | PicoCELA株式会社 |
構築時間 | 約15分 |
通信方式 | 衛星通信+PicoCELAソリューション |
通信範囲 | 数100mエリア |
必要スキル | IT・通信の専門知識不要 |
活用用途 | 大規模災害時における被災地からの情報伝達 |
衛星通信とPicoCELAソリューションについて
本ソリューションは、衛星通信とPicoCELA社の独自の技術を組み合わせたものである。衛星通信は、地上インフラに依存しないため、大規模災害時でも通信を確保できる可能性が高い。PicoCELA社のソリューションは、この衛星通信を容易に利用可能にするための技術を提供しているのだ。
- 衛星通信による安定した通信確保
- PicoCELAソリューションによる簡便な設置・運用
- 専門知識不要な直感的な操作性
これにより、通信知識のない者でも迅速にインターネット環境を構築し、被災地からの情報伝達を可能にする。
災害備蓄Wi-Fiに関する考察
「災害備蓄Wi-Fi」は、大規模災害時の通信インフラ復旧における大きな課題を解決する可能性を秘めている。迅速な情報伝達による人命救助や復旧活動への貢献は、社会的な価値も非常に高いと言えるだろう。しかし、衛星通信の利用にはコストや通信速度の制約がある可能性も考慮する必要がある。
今後、起こりうる問題としては、衛星通信の利用料金の高騰や、悪天候時における通信障害などが考えられる。これらへの対策として、通信コストの削減に向けた技術開発や、複数の通信手段との連携による冗長化などが考えられるだろう。また、より広範囲をカバーできるよう通信範囲の拡大も重要となる。
今後追加してほしい機能としては、災害状況をリアルタイムで把握できる機能や、被災者への情報配信機能などが挙げられる。さらに、多言語対応や、様々な通信機器との互換性の向上も必要となるだろう。これらの機能強化によって、より多くの被災者を支援できるようになることを期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「PicoCELA、大規模災害時のインターネット開通を通信知識がなくても簡単に15分で構築できることを実証 | PicoCELA株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000093.000035736.html, (参照 2025-05-15).