目次
記事の要約
- Dlink DIR 832xの脆弱性CVE-2025-29043が発表
- リモートからの任意コード実行が可能
- CVSSスコアは9.8(CRITICAL)
Dlink DIR 832xにリモートからの任意コード実行を許す脆弱性CVE-2025-29043が発覚
Dlink DIR 832xに、リモートの攻撃者が任意のコードを実行できる脆弱性CVE-2025-29043が存在することが2025年4月17日に公表された。この脆弱性は、バージョン240802に影響し、関数0x417234を介して悪用される可能性がある。
MITRE CorporationがCNA(CVE Numbering Authority)としてこの脆弱性を管理しており、CVSS v3.1スコアは9.8(CRITICAL)と評価されている。攻撃者はネットワーク経由で特別な認証なしにこの脆弱性を悪用し、システムを完全に制御できる可能性がある。
この脆弱性に関する情報は、D-LinkのセキュリティbulletinやGitHub、Gistで公開されている。ユーザーはこれらの情報を参照し、適切な対策を講じることが推奨される。CISA(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)もこの情報をAuthorized Data Publishersとして公開している。
CVE-2025-29043の詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
CVE ID | CVE-2025-29043 |
対象製品 | Dlink DIR 832x |
影響を受けるバージョン | 240802 |
脆弱性の種類 | OSコマンドインジェクション (CWE-78) |
CVSS v3.1スコア | 9.8 (CRITICAL) |
OSコマンドインジェクション(CWE-78)について
OSコマンドインジェクションとは、アプリケーションがOSコマンドを生成する際に、外部からの入力値を適切に検証しないことで発生する脆弱性のことである。主な特徴は以下の通りだ。
- 入力値の不適切な処理が原因
- OSコマンドの実行を許してしまう
- システム全体への影響が大きい
この脆弱性を悪用されると、攻撃者はWebサーバ上で任意のOSコマンドを実行し、機密情報の漏洩やシステムの改ざん、最悪の場合はシステム全体の制御を奪取することが可能になる。Dlink DIR 832xの脆弱性CVE-2025-29043も、このOSコマンドインジェクションに分類される。
Dlink DIR 832xの脆弱性CVE-2025-29043に関する考察
Dlink DIR 832xにおけるCVE-2025-29043の脆弱性の発覚は、IoTデバイスのセキュリティ対策の重要性を改めて認識させる出来事だ。特に家庭用ルーターは、ネットワークの入り口として機能するため、セキュリティ侵害のリスクが高く、適切な対策が不可欠である。
今後は、ファームウェアの自動アップデート機能の強化や、脆弱性情報の迅速な提供が求められる。また、ユーザー自身がセキュリティ設定を容易に行えるようなインターフェースの改善も重要になるだろう。D-Linkには、これらの対策を講じることで、ユーザーからの信頼を回復し、安全なネットワーク環境を提供し続けてほしい。
さらに、脆弱性の根本的な原因であるOSコマンドインジェクションを防ぐためには、開発段階でのセキュリティテストの徹底や、入力値の検証ルールの厳格化が不可欠だ。セキュリティ専門家による定期的な脆弱性診断を実施し、潜在的なリスクを早期に発見し、対応することが重要である。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-29043」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-29043, (参照 2025-04-29).