QualcommがSnapdragon製品のWLAN脆弱性CVE-2025-21459を公開、高リスクと評価

記事の要約

  • QualcommがWLANホスト通信のバッファオーバーリード脆弱性CVE-2025-21459を公開
  • Snapdragon製品の一部で、ML IEのSTAプロファイル解析中に一時的なDoSが発生する脆弱性
  • CVSSスコア7.5の高リスクと評価され、複数のSnapdragonプラットフォームが影響を受ける

Qualcommのセキュリティ情報公開

Qualcomm社は2025年5月6日、WLANホスト通信におけるバッファオーバーリード脆弱性CVE-2025-21459に関するセキュリティ情報を公開した。この脆弱性は、ML IE(Multicast/Broadcast Indication Element)のSTA(Station)プロファイル解析中に発生する可能性がある。具体的には、バッファオーバーリードによって一時的なサービス運用停止(DoS)を引き起こす可能性があるのだ。

影響を受けるのはSnapdragon Auto、Snapdragon CCW、Snapdragon Computeなど、複数のSnapdragonプラットフォームである。脆弱性の深刻度はCVSSスコア7.5の高リスクと評価されており、早急な対応が必要となる。Qualcomm社は、影響を受ける製品のリストと、対応策に関する情報を公開している。

この脆弱性は、ネットワーク攻撃者によって悪用される可能性があるため、ユーザーは最新のファームウェアアップデートを適用するなど、適切な対策を行うことが重要だ。Qualcomm社は、今後もセキュリティ情報の公開と対応に努めていくと発表している。

今回の脆弱性情報は、Qualcomm社のセキュリティ対策の重要性を改めて示すものだ。企業は、製品のセキュリティ対策を継続的に行い、ユーザーの安全を確保する必要がある。

影響を受けるSnapdragon製品

製品名影響
AR8035affected
FastConnect 6700affected
FastConnect 6900affected
FastConnect 7800affected
Flight RB5 5G Platformaffected
QAM8255Paffected
QAM8295Paffected
QAM8620Paffected
QAM8650Paffected
QAM8775Paffected
QAMSRV1Haffected
QAMSRV1Maffected
QCA6391affected
QCA6554Aaffected
QCA6564AUaffected
QCA6574affected
QCA6574Aaffected
QCA6574AUaffected
QCA6584AUaffected
QCA6595affected
QCA6595AUaffected
QCA6678AQaffected
QCA6688AQaffected
QCA6696affected
QCA6698AQaffected
QCA6777AQaffected
QCA6787AQaffected
QCA6797AQaffected
QCA8081affected
QCA8337affected
QCC2073affected
QCC2076affected
QCC710affected
QCM5430affected
QCM6490affected
QCM8550affected
QCN6224affected
QCN6274affected
QCN9011affected
QCN9012affected
QCN9274affected
QCS5430affected
QCS615affected
QCS6490affected
QCS7230affected
QCS8250affected
QCS8300affected
QCS8550affected
QCS9100affected
QFW7114affected
QFW7124affected
QMP1000affected
QRB5165Naffected
Qualcomm Video Collaboration VC3 Platformaffected
Qualcomm Video Collaboration VC5 Platformaffected
Robotics RB5 Platformaffected
SA6155Paffected
SA7255Paffected
SA7775Paffected
SA8155Paffected
SA8195Paffected
SA8255Paffected
SA8295Paffected
SA8620Paffected
SA8650Paffected
SA8770Paffected
SA8775Paffected
SA9000Paffected
SG8275Paffected
SM6650affected
SM6650Paffected
SM7635affected
SM7675affected
SM7675Paffected
SM8550Paffected
SM8635affected
SM8635Paffected
SM8650Qaffected
SM8735affected
SM8750affected
SM8750Paffected
Snapdragon 8 Gen 2 Mobile Platformaffected
Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platformaffected
Snapdragon 8+ Gen 2 Mobile Platformaffected
Snapdragon AR1 Gen 1 Platformaffected
Snapdragon AR1 Gen 1 Platform “Luna1”affected
Snapdragon AR2 Gen 1 Platformaffected
Snapdragon Auto 5G Modem-RF Gen 2affected
Snapdragon X72 5G Modem-RF Systemaffected
Snapdragon X75 5G Modem-RF Systemaffected
SRV1Haffected
SRV1Laffected
SRV1Maffected
SSG2115Paffected
SSG2125Paffected
SXR1230Paffected
SXR2230Paffected
SXR2250Paffected
SXR2330Paffected
Vision Intelligence 400 Platformaffected
WCD9335affected
WCD9340affected
WCD9341affected
WCD9370affected
WCD9375affected
WCD9378affected
WCD9380affected
WCD9385affected
WCD9390affected
WCD9395affected
WCN3990affected
WCN6450affected
WCN6650affected
WCN6755affected
WCN7750affected
WCN7860affected
WCN7861affected
WCN7880affected
WCN7881affected
WSA8830affected
WSA8832affected
WSA8835affected
WSA8840affected
WSA8845affected
WSA8845Haffected
Qualcommセキュリティ情報

CVE-2025-21459脆弱性に関する解説

CVE-2025-21459は、Qualcomm Snapdragon製品におけるWLANホスト通信の脆弱性だ。この脆弱性は、バッファオーバーリードという、プログラムがメモリ領域の境界を超えて読み込んでしまうエラーを引き起こす。

  • バッファオーバーリードとは、プログラムがメモリ領域の境界を超えて読み込んでしまうエラー
  • 不正なデータの読み込みにより、システムクラッシュや情報漏洩などの問題が発生する可能性がある
  • この脆弱性は、ネットワーク攻撃者によって悪用される可能性があるため、早急な対策が必要だ

バッファオーバーリードは、多くのソフトウェア開発において発生する可能性のある一般的な脆弱性である。そのため、開発者は、メモリ管理を適切に行うことで、この脆弱性を防ぐ必要がある。

CVE-2025-21459に関する考察

QualcommによるCVE-2025-21459の迅速な公開は、セキュリティ対策への積極的な姿勢を示しており評価できる。多くの製品への影響が確認されているため、アップデートの迅速な提供と、ユーザーへの周知徹底が重要となるだろう。しかし、アップデート適用が遅れるデバイスや、アップデートが不可能なデバイスが存在する可能性も考慮しなければならない。

アップデート適用が困難な状況では、ネットワークセグメンテーションやファイアウォールなどのネットワークレベルでの対策が有効となる。また、攻撃の検知と迅速な対応のためのセキュリティ監視システムの導入も重要だ。これらの対策によって、脆弱性攻撃による被害を最小限に抑えることが可能となるだろう。

将来的には、より堅牢なセキュリティ設計と、自動化されたセキュリティアップデートシステムの開発が求められる。これにより、脆弱性の発見から修正、アップデート適用までの時間を短縮し、迅速な対応が可能となる。Qualcommには、継続的なセキュリティ向上への取り組みを期待したい。

参考サイト/関連サイト

  1. CVE.「CVE Record: CVE-2025-21459」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-21459, (参照 2025-05-15).

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