D-Link DIR 832xに重大な脆弱性CVE-2025-29042、リモートコード実行の危険性

記事の要約

  • D-Link DIR 832xにリモートからの任意コード実行の脆弱性
  • macaddrキー値を介したコマンドインジェクション攻撃が可能
  • CVSSスコアは9.8(CRITICAL)と評価
## D-Link DIR 832xにリモートコード実行の脆弱性CVE-2025-29042が発覚

D-Link DIR 832xルーターに、リモートの攻撃者が任意のコードを実行できる脆弱性CVE-2025-29042が存在することが2025年4月17日に公開された。この脆弱性は、macaddrキー値を介して関数0x42232cにコマンドインジェクション攻撃を行うことで発生する。

この脆弱性により、攻撃者はルーターを完全に制御し、機密情報の窃取やマルウェアのインストールなど、様々な悪意のある行為を実行できる可能性がある。CVSSv3.1スコアは9.8(CRITICAL)と評価されており、早急な対策が求められる。

D-Linkはセキュリティアドバイザリを公開し、この脆弱性に関する情報を提供している。ユーザーは、ファームウェアを最新バージョンにアップデートするなど、適切な対策を講じる必要があるだろう。

## D-Link DIR 832xの脆弱性詳細
項目詳細
CVE IDCVE-2025-29042
対象製品D-Link DIR 832x
脆弱性の種類コマンドインジェクション
攻撃経路macaddrキー値を介した関数0x42232cへのアクセス
CVSS v3.1スコア9.8 (CRITICAL)
D-Linkセキュリティアドバイザリ## コマンドインジェクションについて

コマンドインジェクションとは、アプリケーションがOSコマンドを実行する際に、外部から与えられたパラメータを適切に処理しないことで発生する脆弱性のことである。主な特徴は以下の通りだ。

  • OSコマンドの実行を許してしまう
  • 悪意のあるコマンドが実行される可能性
  • システム全体が侵害されるリスク

コマンドインジェクション攻撃を防ぐためには、外部からの入力を厳格に検証し、OSコマンドに直接渡さないようにすることが重要だ。また、最小権限の原則に従い、アプリケーションが必要とする最小限の権限のみを与えるように設定することも有効である。

## D-Link DIR 832xの脆弱性CVE-2025-29042に関する考察

D-Link DIR 832xに発見されたCVE-2025-29042は、CVSSスコアが9.8と非常に高く、ネットワーク機器のセキュリティにおける深刻なリスクを改めて認識させる事例だ。リモートから任意のコードが実行可能になるという脆弱性は、攻撃者にとって非常に魅力的な標的となり得るだろう。

今後は、D-Linkが迅速にファームウェアアップデートを提供し、ユーザーが確実に適用することが重要になる。また、同様の脆弱性が他のD-Link製品にも存在しないか、徹底的な調査を行う必要があるだろう。脆弱性対策としては、入力値の検証強化や、特権昇格の防止策などが考えられる。

さらに、IoT機器のセキュリティ対策は、個々のメーカーだけでなく、業界全体で取り組むべき課題だ。脆弱性情報の共有や、セキュリティ基準の策定などを通じて、より安全なIoT環境の構築を目指すべきだろう。今回の脆弱性発覚を教訓に、より一層のセキュリティ対策強化が求められる。

参考サイト/関連サイト

  1. CVE.「CVE Record: CVE-2025-29042」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-29042, (参照 2025-04-29).

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