目次
記事の要約
- Qualcommが自動車ソフトウェアプラットフォームに関する脆弱性を公開
- QNXベースのプラットフォームにおける不適切な入力検証が原因
- 複数のSnapdragon Auto製品が影響を受ける可能性
Qualcommが自動車ソフトウェアプラットフォームの脆弱性を公開
Qualcomm社は2025年5月6日ソフトウェアプラットフォームに関するセキュリティ上の脆弱性CVE-2025-21460を公開した。この脆弱性は、QNXベースのプラットフォームにおける不適切な入力検証が原因で発生するメモリ破損の問題である。
ゲストVMがバッファを制御している場合、メッセージ処理中にメモリ破損が発生し、値が継続的に変更される可能性がある。この脆弱性は、攻撃者によるシステムの制御やデータの改ざんといった深刻な影響を及ぼす可能性があるのだ。
Qualcomm社は、影響を受ける可能性のある製品として、Snapdragon Autoプラットフォームの複数のバージョンを挙げている。具体的な製品名は、QAM8255P、QAM8295P、QAM8620P、QAM8650P、QAM8775P、QAMSRV1H、QAMSRV1M、QCA6574A、QCA6574AU、QCA6595、QCA6595AU、QCA6688AQ、QCA6696、QCA6698AQ、SA6145P、SA6150P、SA6155、SA6155P、SA7255P、SA7775P、SA8145P、SA8150P、SA8155、SA8155P、SA8195P、SA8255P、SA8295P、SA8540P、SA8620P、SA8650P、SA8770P、SA8775P、SA9000P、SRV1H、SRV1L、SRV1Mなど多数にのぼる。
影響を受ける製品と脆弱性情報
製品名 | 影響 |
---|---|
QAM8255P | affected |
QAM8295P | affected |
QAM8620P | affected |
QAM8650P | affected |
QAM8775P | affected |
QAMSRV1H | affected |
QAMSRV1M | affected |
QCA6574A | affected |
QCA6574AU | affected |
QCA6595 | affected |
QCA6595AU | affected |
QCA6688AQ | affected |
QCA6696 | affected |
QCA6698AQ | affected |
SA6145P | affected |
SA6150P | affected |
SA6155 | affected |
SA6155P | affected |
SA7255P | affected |
SA7775P | affected |
SA8145P | affected |
SA8150P | affected |
SA8155 | affected |
SA8155P | affected |
SA8195P | affected |
SA8255P | affected |
SA8295P | affected |
SA8540P | affected |
SA8620P | affected |
SA8650P | affected |
SA8770P | affected |
SA8775P | affected |
SA9000P | affected |
SRV1H | affected |
SRV1L | affected |
SRV1M | affected |
CWE-20: 不適切な入力検証について
この脆弱性は、CWE-20「不適切な入力検証」に分類される。これは、アプリケーションがユーザーからの入力を適切に検証せずに処理することで発生する脆弱性だ。
- 入力値の範囲チェック不足
- データ型の検証不足
- 特殊文字の処理不足
不適切な入力検証は、様々なセキュリティ問題を引き起こす可能性がある。そのため、アプリケーション開発においては、入力値の検証を徹底することが重要である。
CVE-2025-21460に関する考察
Qualcommによる迅速な脆弱性公開は評価できる点だ。早期発見と対応によって、潜在的な被害を最小限に抑えることが期待できる。しかし、多くの自動車メーカーがSnapdragon Auto製品を使用していることを考えると、パッチ適用には相当な時間と労力がかかる可能性がある。
パッチ適用が遅れることで、攻撃の標的となり、車両システムの乗っ取りやデータ漏洩といった深刻な事態につながるリスクも存在する。そのため、各自動車メーカーは迅速なパッチ適用と、ユーザーへの情報提供を徹底する必要があるだろう。
今後、より厳格な入力検証の仕組みや、自動化されたセキュリティテストの導入が求められるだろう。また、脆弱性発見のための継続的なセキュリティ監査体制の構築も重要だ。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-21460」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-21460, (参照 2025-05-15).