目次
記事の要約
- Red Hatがmod_auth_openidcの脆弱性CVE-2025-3891を公開
- 空のPOSTリクエストでDoS攻撃が可能になる脆弱性
- Red Hat Enterprise Linux 7と9が影響を受ける
Red Hatがmod_auth_openidcの脆弱性を公開
Red Hat社は2025年4月29日、Apache httpdのmod_auth_openidcモジュールにおける脆弱性CVE-2025-3891を公開した。この脆弱性により、リモートの認証されていない攻撃者が空のPOSTリクエストを送信することで、サービス拒否攻撃(DoS)を引き起こす可能性があるのだ。
OIDCPreservePostディレクティブが有効になっている場合、攻撃者は空のPOSTリクエストを送信することでサーバーをクラッシュさせることができる。この攻撃は一貫してサーバーをクラッシュさせ、可用性に影響を与えるため、深刻な問題だと言える。
Red Hat Enterprise Linux 8の一部バージョンは影響を受けないが、Red Hat Enterprise Linux 7と9の全バージョンは影響を受けることが確認されている。Red Hatは修正プログラムを提供しており、ユーザーは速やかにアップデートを行う必要がある。
脆弱性に関する詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
CVE ID | CVE-2025-3891 |
公開日 | 2025-04-29 |
更新日 | 2025-05-12 |
影響を受ける製品 | Red Hat Enterprise Linux 7、Red Hat Enterprise Linux 9 |
影響を受けない製品 | Red Hat Enterprise Linux 8 (8100020250426100353.489197e6以降) |
脆弱性の種類 | サービス拒否 (DoS) |
CVSSスコア | 5.3 (MEDIUM) |
CWE | CWE-248: Uncaught Exception |
DoS攻撃について
DoS攻撃とは、サービス拒否攻撃のことで、正当なユーザーがサービスを利用できなくなる攻撃手法である。今回の脆弱性では、空のPOSTリクエストという単純な攻撃方法でDoS攻撃が可能になる点が問題だ。
- 攻撃の容易さ
- サーバーの可用性への影響
- 迅速な対応の必要性
攻撃者は特別なスキルやツールを必要とせず、容易に攻撃を実行できる。そのため、迅速な対応と対策が不可欠である。
CVE-2025-3891に関する考察
この脆弱性は、mod_auth_openidcモジュールのOIDCPreservePostディレクティブの処理に問題があることが原因だ。このディレクティブはPOSTリクエストのデータを保持する機能を提供するが、適切なエラー処理が実装されていなかったため、空のPOSTリクエストによって例外が発生し、サーバーがクラッシュしてしまうのだ。
今後、同様の脆弱性が他のモジュールやソフトウェアでも発見される可能性がある。そのため、開発者はセキュリティコードレビューを徹底し、例外処理を適切に実装することが重要となるだろう。また、ユーザーは常に最新のセキュリティパッチを適用し、システムのセキュリティを維持する必要がある。
Red Hatは迅速な対応で修正プログラムを提供しているが、全てのユーザーが速やかにアップデートを行うとは限らない。そのため、攻撃の検知と防御のための対策を講じることも重要だ。例えば、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)などを導入し、不正なリクエストをブロックするなどの対策が必要となるだろう。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-3891」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-3891, (参照 2025-05-15).