
目次
記事の要約
- RIT社が生成AIを活用した自動仕様書作成サービス「SPG-R」をアップデート
- AIアシスタント機能が強化され、ソースコードの内容を理解し質問に回答
- 仕様書の出力精度、表現力、構成力が向上し、Word形式でのエクスポートが可能に
SPG-Rのバージョンアップ内容
株式会社RITは2025年5月14日、生成AIを活用した自動仕様書作成サービス「SPG-R」の大規模バージョンアップを発表した。今回のアップデートでは、AIアシスタント機能の改良とアウトプット全体の精度向上に重点が置かれているのだ。
AIアシスタントは、ソースコードを参照した根拠付きの回答を自然言語で提供する。これにより、「この処理はどこ?」「何と連携してる?」といったエンジニア以外の職種でも理解しやすい質問への対応が可能になった。プロジェクトごとのサンプル質問の自動提示にも対応している。
さらに、全文検索やRAGによる情報抽出、中間生成処理、プロンプト調整などにより、仕様書としての一貫性・構成力・表現力が向上した。修正・更新しながら使える設計はそのままに、より実務に適したドキュメント生成体験が提供されるようになったのだ。
画面遷移図や機能関連図、各種一覧表など、視覚的にわかりやすい形式での出力にも対応している。図はMarmaid記法で表示・編集が可能で、すべてのアウトプットがWord形式でエクスポート可能となった。社内共有やレビューもスムーズに行えるようになっている。
SPG-Rの機能一覧
機能 | 詳細 |
---|---|
AIアシスタント | ソースコードを参照した根拠付きの回答を提供 |
アウトプット | 精度、表現力、構成力が向上。Word形式でエクスポート可能 |
出力形式 | 画面遷移図、機能関連図、各種一覧表などに対応 |
その他機能 | リビジョン管理、柔軟な権限設定、複数組織対応、トークン事前確認 |
AIアシスタント機能について
SPG-RのAIアシスタントは、自然言語による質問に対してソースコードを分析し、その内容を分かりやすく説明する機能だ。従来のAIアシスタントと比較して、ソースコードの「背景」まで理解し、より詳細な情報を提供できる点が大きな特徴である。
- ソースコードの理解度向上
- 自然言語による質問への対応
- 根拠付きの回答提供
これにより、エンジニアだけでなく、エンジニア以外のメンバーもシステム仕様を容易に理解できるようになり、開発チーム全体のコミュニケーション効率が向上するだろう。
SPG-Rに関する考察
SPG-Rのアップデートは、仕様把握にかかるコストの大幅削減に貢献するだろう。AIアシスタントの進化により、エンジニア以外のメンバーも仕様書の作成・理解に参加しやすくなった点は大きなメリットだ。しかし、AIが生成した仕様書の内容の正確性や網羅性については、常に人間のチェックが必要となるだろう。
今後起こりうる問題としては、AIの学習データの偏りによる出力結果のバイアスや、複雑なシステムに対応しきれないケースなどが考えられる。これらの問題への対策として、AIの学習データの多様化や、AIアシスタントの機能強化、そして継続的なメンテナンスが重要となる。ユーザーからのフィードバックを積極的に取り入れ、改善を続ける必要があるだろう。
今後追加してほしい機能としては、複数のプログラミング言語に対応したソースコード解析機能や、仕様書自動生成機能の高度化などが挙げられる。また、バージョン管理システムとの連携強化も期待したい。SPG-Rが開発現場の効率化にさらに貢献し、より多くの開発者にとって不可欠なツールとなることを期待している。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「仕様把握にかかるコストを大幅削減──SPG-Rに新機能「AIアシスタント」が追加 | 株式会社RITのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000036710.html, (参照 2025-05-15).