
目次
記事の要約
- スペクトラム社が10 GS/s出力、16 bit分解能のAWGを発表
- Ethernet制御可能な超高速AWGで、広帯域信号生成に最適
- 自動化システムやリモートテスト向けに設計
スペクトラム社、新型AWGを発表
スペクトラム・インスツルメンテーション社は2025年5月14日、generatorNETBOX DN2.63xシリーズの新しい任意波形発生器(AWG)4モデルを発表した。このAWGは、16 bit分解能と最大10 GS/sの出力レートを実現しており、DCから2.5 GHzまでの広帯域信号生成に対応するのだ。
Ethernet制御が可能で、デスクトップやノートPC、企業内ネットワークに直接接続できる。自動化システムやリモートテスト向けに設計されており、刺激応答型や閉ループ型のテスト環境に最適である。シングルエンド出力または差動出力モードで使用でき、出力範囲は完全にプログラム可能だ。
シングルエンドモードでは、波形の振幅は50 Ω負荷で最大±500 mVまで対応し、差動モードでは100 Ω負荷で最大±1 Vまで対応する。高インピーダンス終端では、出力レベルが2倍になり、最大±2 Vまで対応可能だ。標準で2 GSamples(4 GB)のメモリを搭載し、最大8 GSamples(16 GB)まで拡張可能である。
これにより、10 GS/sの出力レートで最大800 msの長時間波形再生を途切れることなく行うことができる。ユーザーは、シングルショット、リピート出力、マルチリプレイモード、FIFOストリーミングなど、複数のスマートトリガ機能や生成モードから選択できるのだ。
製品仕様
項目 | 詳細 |
---|---|
モデル名 | generatorNETBOX DN2.63xシリーズ |
出力レート | 最大10 GS/s |
分解能 | 16 bit |
帯域幅 | 最大2.5 GHz |
出力モード | シングルエンド、差動 |
メモリ | 標準2 GSamples(4 GB)、最大8 GSamples(16 GB) |
チャンネル構成 | シングルまたはデュアルチャンネル |
制御 | Ethernet/LXI |
任意波形発生器(AWG)について
任意波形発生器(AWG)は、デジタル信号処理技術を用いて任意の波形を生成する電子機器である。様々な用途で使用され、電子機器のテストや測定、信号処理、通信システムの開発などに利用される。
- 様々な波形を生成可能
- 高精度な信号生成
- 高速な信号処理
高性能なAWGは、複雑な信号の生成や高速なデータ転送を必要とするアプリケーションに不可欠なツールだ。
新型AWGに関する考察
スペクトラム社の新型AWGは、高サンプリングレートと高分解能を両立したことで、高精度な信号生成が可能になった点が優れている。これにより、これまで困難だった高周波数帯域での精密な信号制御が可能になり、様々な分野での応用が期待できるだろう。しかし、高性能な機器であるため、価格が高額になる可能性や、高度な専門知識が必要となる可能性もある。
起こりうる問題としては、テクノロジーの互換性や、特定のアプリケーションへの対応不足などが考えられる。これに対しては、継続的なソフトウェアアップデートや、ユーザーからのフィードバックを積極的に取り入れることで対応していく必要があるだろう。また、ユーザーサポート体制の充実も重要だ。
今後追加してほしい機能としては、より柔軟な波形編集機能や、様々な計測器との連携機能などが挙げられる。また、ユーザーインターフェースの改善も重要であり、より直感的で使いやすいソフトウェアの開発が求められる。将来的には、AIを活用した自動波形生成機能なども期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「スペクトラム社、10 GS/sの出力レート、16 bit分解能の新型AWGを発表 | Spectrum Instrumentation GmbHのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000095734.html, (参照 2025-05-15).