
目次
記事の要約
- ソラコムがニチガスグループ向けに次世代検針デバイスを開発
- 既存デバイス「スペース蛍」の後継としてLTE-M版を開発
- 低消費電力性能や保守性の向上を目指す
ソラコム、ニチガスグループ向け次世代検針デバイス開発に着手
株式会社ソラコムは2025年5月14日、ニチガスグループ向けにIoTデバイス「スペース蛍」の次世代版デバイスの設計・開発に着手したことを発表した。このデバイスは、ガスメーターをオンライン化し、自動検針やリモート開閉栓などを可能にするNCU(Network Control Unit)である。
ニチガスグループでは、2020年1月から「スペース蛍」を導入し、既に150万台以上が稼働している。次世代版デバイスは、既存デバイスの機能を継承しつつ、低消費電力性能や保守性の向上を目指すものだ。
開発は、ニチガスグループの株式会社エナジー宇宙(ソラ)とソラコムの共同で行われ、LTE-M版の開発が進む予定である。この取り組みは、エネルギー業界のDXに貢献することを目指している。
現行の「スペース蛍」はSigfoxやLTE-M通信規格を利用し、電池で10年間駆動する低電力設計となっている。次世代版でもこれらの利点を継承し、より広範な展開を目指しているのだ。
開発概要
項目 | 詳細 |
---|---|
開発主体 | 株式会社ソラコム、株式会社エナジー宇宙(ソラ) |
対象 | ニチガスグループ |
デバイス名 | スペース蛍(次世代版) |
通信規格 | LTE-M |
開発状況 | 設計・開発に着手 |
目的 | 低消費電力性能、保守性の向上、広範な展開 |
NCUについて
NCUとはNetwork Control Unitの略称で、ガスメーターの使用量データを電子的に読み取り、フォーマット変換後でクラウドへ送信するIoT装置である。
- ガスメーターの遠隔監視を実現
- 自動検針による業務効率化
- 保安データの取得による安全性の向上
このNCUは、ガス消費量の監視や漏洩検知、ボンベ充填計画の最適化などに活用される。エネルギー業界におけるDX推進に重要な役割を果たす技術だ。
次世代検針デバイスに関する考察
本開発は、既存の「スペース蛍」の課題を解決し、より多くの顧客への展開を目指す点で大きな意義を持つ。低消費電力化と保守性の向上は、運用コスト削減と安定稼働に繋がるだろう。しかし、新規格への移行に伴う互換性問題や、導入時の技術的な課題も想定される。
これらの問題への対策として、既存システムとのシームレスな連携や、導入支援体制の強化が重要となる。また、将来的には、AIを活用した高度なデータ分析機能や、他のスマートメーターとの連携など、更なる機能拡張が期待される。データセキュリティの強化も不可欠だ。
ニチガスグループとソラコムの連携によるエネルギー業界のDX推進は、持続可能な社会の実現に貢献するだろう。次世代デバイスの成功は、両社の技術力と協調性にかかっている。今後の展開に期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「ソラコムが、ニチガスグループ向けに次世代版検針デバイスの開発に着手 | 株式会社ソラコムのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000299.000034562.html, (参照 2025-05-15).