
目次
記事の要約
- デジタルダイナミックがAI開発企業向けGPUサーバー設置を発表
- IDCフロンティア東京府中データセンターに約500枚設置、年内に2000枚規模へ拡大予定
- AIクラスタアセットマネジメント事業による国産AIインフラ提供を目指す
デジタルダイナミック、AI開発企業向けGPUサーバー設置開始
デジタルダイナミック株式会社は2025年5月14日、生成AIに対応するAIクラスタを組成したと発表した。都内最大規模の受電容量を誇るIDCフロンティアの東京府中データセンターに、約500枚の推論処理用GPUサーバーを設置し、AI開発企業向けに順次稼働を開始したのだ。
今後は毎月約150枚を増設し、年内に2,000枚規模へ拡大する計画である。高性能データセンターの採用により、同社が推進するAIクラスタアセットマネジメント事業を安全かつ安定した環境で提供できる体制を整えたのだ。
生成AIサービスの急拡大に伴い、AIモデル学習及び推論計算に対する需要が爆発的に増えている。しかし、高密度GPU運用に適した国内施設は限られており、多くの企業が外資系クラウドに依存せざるを得なかった。IDCフロンティアの東京府中データセンターは、高電力、免震構造、低遅延テクノロジー、高度なセキュリティなどを備えているため、AIクラスタの組成に最適だと判断されたのだ。
同社はAI開発向けハイスペックGPUを共同保有し、その利用料を共同保有者に還元する「AIクラスタアセットマネジメント」事業により、大手だけでなく全ての国内企業が国産AIインフラ事業に参入できる環境を提供するとしている。
導入環境と事業概要
項目 | 詳細 |
---|---|
データセンター | IDCフロンティア東京府中データセンター |
初期設置台数 | 約500枚 |
年間設置目標 | 2,000枚 |
増設ペース | 毎月約150枚 |
事業内容 | AIクラスタアセットマネジメント事業 |
対象 | AI開発企業 |
AIクラスタアセットマネジメントについて
デジタルダイナミック株式会社が提供するAIクラスタは、複数GPUサーバーを束ねた高性能計算基盤である。ユーザー企業や投資家はクラスタを「資産」として保有し、外部へ計算リソースを提供することで運用益を得られるのだ。
- 資産としての保有
- 計算リソースの提供
- 運用益の獲得
不動産や航空機のオーナーシップと同様に、専門知識や大規模設備がなくてもAIインフラに参入できる点が特長だ。
AIクラスタアセットマネジメント事業に関する考察
本事業は、国内AIインフラの強化に大きく貢献する可能性を秘めている。多くの企業が外資系クラウドに依存している現状を打破し、国産AIインフラの普及を促進するだろう。しかし、GPUサーバーの運用・保守、電力コスト、セキュリティ対策など、課題も存在する。
これらの課題への対策として、信頼性の高いデータセンターとの連携強化、効率的な運用管理システムの構築、高度なセキュリティ対策の導入などが考えられる。さらに、地方銀行やファンドとの連携による資金調達も重要となるだろう。
今後、より多くのAI開発企業が本サービスを利用することで、国内AIエコシステムの活性化が期待される。また、AIクラスタの規模拡大や、多様なAIモデルへの対応など、更なる機能強化も必要となるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「デジタルダイナミック、AI開発企業向けGPUサーバーをIDCフロンティア東京府中データセンターに設置し大規模クラスタを組成 | デジタルダイナミック株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000160865.html, (参照 2025-05-15).