
目次
記事の要約
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティングとインジェスターがインバウンド購買意欲指数を発表
- 2025年1~3月期の訪日外客数は1000万人を突破も購買意欲は低下傾向
- 現状水準DIは68、現状判断DIは66、先行き判断DIは70と横ばい
2025年第1四半期インバウンド購買意欲指数
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社と株式会社インジェスターは、2025年5月13日、インバウンド購買意欲指数(2025年第1四半期)の結果を公開した。2025年1月から3月期における訪日外国人観光客の購買意欲に関する調査結果を発表したのだ。
調査によると、2025年1~3月期の訪日外客数は1,000万人を突破したものの、購買意欲は低下基調にあることが明らかになった。現状水準DI(参考値)は前四半期差で-1ポイントの68と横ばい、現状判断DI(参考値)は±0ポイントの66と横ばい、先行き判断DI(参考値)は前四半期差で-2ポイントの70と横ばいだった。
この指数は、全国の小売店を訪れる訪日外国人観光客の購買意欲を測定するもので、株式会社インジェスターが全国の小売店に派遣している販売員を調査対象としている。訪日外国人観光客による購買意欲の水準に対する現状判断、前月と比較した購買意欲の方向性に対する現状判断とその理由、購買意欲の先行きに対する先行き判断とその理由を主な調査事項としているのだ。
インバウンド購買意欲指数調査概要
項目 | 詳細 |
---|---|
調査主体 | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社、株式会社インジェスター |
調査対象 | 全国の小売店を訪れる訪日外国人観光客 |
調査期間 | 2025年1月~3月 |
発表日 | 2025年5月13日 |
現状水準DI | 68 |
現状判断DI | 66 |
先行き判断DI | 70 |
DI(Diffusion Index)について
DIとは、Diffusion Indexの略称であり、調査対象者の肯定的回答の割合から否定的回答の割合を引いた値を百分率で表したものである。この指数では、50より大きいほど「購買意欲が強い」、小さいほど「購買意欲が弱い」と判断される。
- 50以上は購買意欲が強いことを示す
- 50未満は購買意欲が弱いことを示す
- 数値が高いほど購買意欲が強いことを示す
今回の調査では、DIは横ばい傾向を示しており、訪日外国人観光客の購買意欲は現状維持の状態にあると言えるだろう。
インバウンド購買意欲指数に関する考察
今回の調査結果では、訪日外国人観光客数が増加しているにも関わらず、購買意欲は横ばい傾向にあることが示された。これは、円安や物価高騰などの影響が考えられる。今後、これらの要因がどのように変化していくのか、そして購買意欲にどのような影響を与えるのかを注視していく必要があるだろう。
また、調査対象が小売店に限定されているため、サービス業や宿泊業など他の分野での購買意欲は反映されていない可能性がある。より包括的な調査を行うことで、より正確な状況把握が可能になるだろう。今後の調査では、より多様な業種や地域を対象に調査を行うことが重要である。
さらに、訪日外国人観光客の属性(国籍、年齢、滞在期間など)を詳細に分析することで、購買意欲の低下要因を特定し、効果的な対策を講じることが可能になるだろう。より詳細なデータ分析を通じて、今後のインバウンド戦略の改善に繋げていくことが期待される。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「インバウンド購買意欲指数(2025年第1四半期)の結果について | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000138.000020489.html, (参照 2025-05-15).