Adobe InDesign Desktopの脆弱性CVE-2025-30320が公開、サービス拒否攻撃の可能性

記事の要約

  • Adobe InDesign Desktopの脆弱性CVE-2025-30320が公開された
  • ID19.5.2、ID20.2以前のバージョンが影響を受ける
  • NULL Pointer Dereference(CWE-476)によるサービス拒否攻撃が可能

Adobe InDesign Desktopの脆弱性情報公開

Adobe Systems Incorporatedは2025年5月13日、InDesign Desktopにおける脆弱性CVE-2025-30320に関する情報を公開した。この脆弱性は、NULL Pointer Dereference(CWE-476)と呼ばれるもので、悪意のあるファイルを開いたユーザーのアプリケーションをクラッシュさせる可能性があるのだ。

影響を受けるのはInDesign DesktopのバージョンID19.5.2、ID20.2、およびそれ以前のバージョンである。攻撃者はこの脆弱性を悪用して、アプリケーションをクラッシュさせ、サービスを中断させる可能性がある。この脆弱性の悪用には、ユーザーの操作(悪意のあるファイルを開くこと)が必要となる。

Adobeは、この脆弱性に関する情報を公開し、ユーザーに対し、最新のバージョンにアップデートするよう推奨している。この脆弱性に対する修正プログラムは、既に公開されているため、速やかにアップデートを実施することが重要だ。

脆弱性詳細

項目詳細
脆弱性名CVE-2025-30320
公開日2025-05-13
更新日2025-05-13
影響を受ける製品InDesign Desktop
影響を受けるバージョンID19.5.2、ID20.2以前
脆弱性の種類NULL Pointer Dereference (CWE-476)
CVSSスコア5.5 (MEDIUM)
ベクトル文字列CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:N/I:N/A:H
Adobeセキュリティ情報

NULL Pointer Dereferenceについて

NULL Pointer Dereferenceとは、プログラムがNULLポインタ(何も指していないポインタ)を参照しようとした際に発生するエラーのことだ。これは、プログラムの予期せぬ終了やクラッシュを引き起こす可能性がある。

  • メモリ破壊の可能性
  • アプリケーションのクラッシュ
  • サービス拒否攻撃への脆弱性

この脆弱性は、プログラムの設計やコーディングのミスによって発生することが多く、適切なエラー処理やメモリ管理を行うことで防ぐことが可能である。

CVE-2025-30320に関する考察

Adobe InDesign Desktopの脆弱性CVE-2025-30320は、サービス拒否攻撃につながる深刻な問題である。迅速なアップデートが重要であり、ユーザーは最新のバージョンに更新することでリスクを軽減できる。しかし、アップデートが遅れるユーザーや、アップデートできない環境が存在する可能性も考慮する必要があるだろう。

今後、同様の脆弱性が他のAdobe製品でも発見される可能性がある。Adobeは、セキュリティ対策の強化と、脆弱性発見時の迅速な対応体制の構築に注力すべきだ。また、ユーザーに対しても、セキュリティアップデートの重要性に関する啓発活動を行うことが重要となるだろう。

さらに、この脆弱性のようなNULL Pointer Dereferenceを検出するための静的解析ツールや動的解析ツールの活用、開発プロセスにおけるセキュリティコードレビューの徹底なども有効な対策となるだろう。継続的なセキュリティ対策の強化が求められる。

参考サイト/関連サイト

  1. CVE.「CVE Record: CVE-2025-30320」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-30320, (参照 2025-05-15).

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