
目次
記事の要約
- AGRISTと共立電照がAIロボットとLED照明を用いたいちご栽培の実証実験を開始
- 1粒1000円の高価格帯いちごブランド「Miyazaki ICHIGO “M”」開発
- 持続可能な農業モデルの確立を目指す
AIロボット×LEDで次世代いちご栽培を目指す「Miyazaki ICHIGO “M”」
AGRIST株式会社と株式会社共立電照は2025年5月15日、AI搭載自動収穫ロボットとLED照明を活用したいちご栽培の実証実験を開始したことを発表した。この取り組みは、深刻な農業人材不足や気候変動といった課題の解決に貢献することを目指しているのだ。
実証実験は、AIによるデータ駆動型栽培と植物工場でのAIロボット×LED栽培、そしてプレミアムブランド「Miyazaki ICHIGO “M”」の開発と市場開拓という3つの柱で構成されている。高品質ないちごの安定供給と持続可能な農業モデルの確立を目指す取り組みである。
2025年度は露地栽培(高設)でのデータ収集とテストマーケティングを行い、2026年度に植物工場でのLED照明と環境制御の最適化、AIロボットの本格運用を行う予定だ。2027年度には栽培システム全体のパッケージ化と宮崎県外への展開を目指すとしている。
将来的には、この栽培システムを海外へ輸出したり、コンテナ型植物工場としてグローバル展開することも視野に入れている。
実証実験概要とブランド戦略
項目 | 詳細 |
---|---|
実験開始日 | 2025年5月15日 |
実験期間 | 3年間(2025年度~2027年度) |
実施場所 | 宮崎県内の協力いちご農家圃場、共立電照の植物工場 |
栽培方法 | 露地栽培(高設)、植物工場栽培(AIロボット×LED) |
ブランド名 | Miyazaki ICHIGO “M” |
価格帯 | 1粒1000円 |
販売予定 | ふるさと納税返礼品、高級ホテル等 |
技術 | AGRIST社のAI自動収穫ロボット、IoTセンサー、共立電照社のLED照明、環境制御システム |
スマート農業におけるAIとLED技術
本実証実験では、AIとLED技術がスマート農業にどのように貢献するのかが重要なポイントだ。AI搭載の自動収穫ロボットは、人手不足解消と収穫効率の向上に繋がる。
- 収穫作業の自動化・省力化
- 精密な生育データ分析による最適な栽培環境の維持
- 高品質ないちごの安定生産
一方、LED照明は、省エネルギーで環境負荷の少ない栽培を実現し、持続可能な農業に貢献するだろう。
Miyazaki ICHIGO “M”プロジェクトに関する考察
本プロジェクトは、AIとLED技術を組み合わせた革新的ないちご栽培システムの構築を目指す点で高く評価できる。高品質ないちごの安定供給を実現し、日本の農業における人手不足や気候変動といった課題解決に貢献する可能性を秘めているのだ。
しかし、高価格帯のブランド戦略は、市場の需要や消費者の受け入れ度合いによってはリスクを伴う可能性がある。また、AIロボットやLED照明システムの導入には、初期投資や維持管理コストがかかるため、経済的な面での課題も考慮する必要があるだろう。
今後の課題としては、システムの安定性向上、コスト削減、そして消費者のニーズに合わせたブランド戦略の確立が挙げられる。これらの課題をクリアすることで、本プロジェクトは日本の農業の未来を大きく変える可能性を秘めている。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「1粒1000円いちごの特産品開発で、スタートアップと宮崎県の企業が新規事業を創出。AIロボット×LEDで次世代いちご栽培へ実証実験を開始。持続可能な農業に貢献 | AGRIST株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000142.000050444.html, (参照 2025-05-15).