目次
記事の要約
- D-Link DIR-605L 2.13B01のバッファオーバーフロー脆弱性CVE-2025-4442が公開された
- formSetWAN_Wizard55関数のcurTime引数の操作が原因で発生する
- リモートから攻撃可能で、深刻度が高い脆弱性と評価されている
D-Link DIR-605Lの脆弱性情報公開
VulDBは2025年5月8日、D-Link DIR-605Lルーターの脆弱性情報CVE-2025-4442を公開した。この脆弱性は、バージョン2.13B01に存在するバッファオーバーフロー脆弱性である。
脆弱性の原因は、formSetWAN_Wizard55関数におけるcurTime引数の操作にある。攻撃者はリモートからこの脆弱性を悪用し、バッファオーバーフローを引き起こすことが可能だ。この脆弱性は、既にサポートが終了している製品にのみ影響する。
VulDBは、この脆弱性の深刻度を高く評価しており、迅速な対応を推奨している。ベンダーであるD-Link社には、この脆弱性に関する情報開示前に連絡済みである。
この脆弱性は、CWE-120(バッファオーバーフロー)とCWE-119(メモリ破損)に分類される。CVSSv3スコアは8.8、CVSSv4スコアは8.7と高スコアである。
脆弱性詳細と関連情報
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性名 | CVE-2025-4442 |
影響を受ける製品 | D-Link DIR-605L バージョン2.13B01 |
脆弱性の種類 | バッファオーバーフロー |
深刻度 | 高 |
CVSSv3スコア | 8.8 |
CVSSv4スコア | 8.7 |
攻撃方法 | リモート |
影響範囲 | サポート終了製品 |
公開日 | 2025年5月8日 |
バッファオーバーフローについて
バッファオーバーフローとは、プログラムがデータ格納領域(バッファ)の境界を超えてデータを書き込む脆弱性のことだ。これは、プログラムのメモリ領域を不正に書き換える可能性があり、システムクラッシュや任意のコード実行といった深刻な問題を引き起こす。
- プログラムのメモリ領域の破壊
- システムクラッシュ
- 任意のコード実行
バッファオーバーフローは、適切な入力検証やメモリ管理を行うことで防ぐことが可能である。開発者は、安全なコーディング規約を遵守し、最新のセキュリティパッチを適用する必要がある。
CVE-2025-4442に関する考察
この脆弱性は、既にサポートが終了している製品にのみ影響する点が、比較的影響範囲が限定的であると言えるだろう。しかし、古い機器を使い続けているユーザーは、この脆弱性による攻撃を受けるリスクがあるため、注意が必要だ。
今後、同様の脆弱性が他のD-Link製品や他社製品でも発見される可能性がある。そのため、定期的なセキュリティアップデートや脆弱性情報の確認が重要となるだろう。また、古い機器の使用は避け、可能な限り最新の機器を使用することが推奨される。
D-Link社には、サポート終了製品であっても、セキュリティ上の重大な脆弱性に対しては、何らかの対応策を検討する必要があるだろう。例えば、脆弱性に関する情報提供や、セキュリティ対策に関するアドバイスを提供するといった対応が考えられる。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-4442」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-4442, (参照 2025-05-15).