目次
記事の要約
- D-Link DIR-619L 2.04B04のバッファオーバーフロー脆弱性CVE-2025-4449が公開された
- formEasySetupWizard3関数のwan_connected引数の操作が原因で発生する
- リモートから攻撃が可能で、CVSSスコアは8.7(HIGH)と評価されている
D-Link DIR-619Lのバッファオーバーフロー脆弱性に関する情報公開
VulDBは2025年5月9日、D-Link DIR-619Lルーターの脆弱性CVE-2025-4449に関する情報を公開した。この脆弱性は、深刻度がCRITICALと評価されており、リモートからの攻撃が可能であることが明らかになっている。
脆弱性の原因は、formEasySetupWizard3関数におけるwan_connected引数の操作によるバッファオーバーフローだ。攻撃者はこの脆弱性を悪用することで、システムの制御を奪う可能性がある。ベンダーであるD-Link社には、この脆弱性に関する情報開示前に連絡済みである。
重要なのは、この脆弱性はD-Link DIR-619L 2.04B04バージョンに影響し、既にメーカーによるサポートが終了している製品にのみ影響する点だ。そのため、最新のファームウェアへのアップデートが推奨される。
この脆弱性情報は、VulDBのデータベースに登録されており、詳細な技術情報はVulDBのウェブサイトで確認できる。
脆弱性情報詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性名 | CVE-2025-4449 |
影響を受ける製品 | D-Link DIR-619L 2.04B04 |
脆弱性の種類 | バッファオーバーフロー |
深刻度 | CRITICAL |
CVSSスコア | 8.7 (HIGH) |
攻撃方法 | リモート |
公開日 | 2025年5月9日 |
影響範囲 | サポート終了製品 |
バッファオーバーフローについて
バッファオーバーフローとは、プログラムがデータ格納領域(バッファ)の境界を超えてデータを書き込んでしまう脆弱性のことだ。これは、プログラムのメモリ管理に不備がある場合に発生する。
- 予期せぬプログラムの動作を引き起こす
- システムクラッシュやデータ破損につながる
- 攻撃者によるシステム乗っ取りを許す可能性がある
バッファオーバーフローは、様々な攻撃手法の基盤となるため、非常に危険な脆弱性である。適切なメモリ管理と入力検証を行うことで、この脆弱性を防ぐことが重要だ。
CVE-2025-4449に関する考察
D-Link DIR-619L 2.04B04のバッファオーバーフロー脆弱性CVE-2025-4449は、サポート終了製品に影響するものの、リモート攻撃が可能であるため、潜在的なリスクは無視できない。迅速な情報公開と対策の周知は、被害拡大防止に繋がるだろう。
今後、同様の脆弱性が他のD-Link製品や他社製品でも発見される可能性がある。そのため、定期的なセキュリティアップデートの実施や、脆弱性情報の監視体制の強化が重要となる。また、古い機器の使用はセキュリティリスクを高めるため、可能な限り新しい機器への更新を検討すべきだ。
この脆弱性への対策として、まず影響を受ける製品を使用しているユーザーは、代替製品への移行を検討すべきである。また、セキュリティ対策ソフトの導入や、ファイアウォールの設定強化なども有効な手段となるだろう。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-4449」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-4449, (参照 2025-05-15).