目次
記事の要約
- D-Link DIR-619L 2.04B04のバッファオーバーフロー脆弱性CVE-2025-4451が公開された
- formSetWAN_Wizard52関数のcurTime引数の操作が原因で発生する
- リモートから攻撃可能で、CVSSスコアは8.7(HIGH)と評価されている
D-Link DIR-619L バッファオーバーフロー脆弱性に関する情報公開
VulDBは2025年5月9日、D-Link DIR-619Lルーターの脆弱性CVE-2025-4451に関する情報を公開した。この脆弱性は、formSetWAN_Wizard52関数におけるバッファオーバーフローであり、リモートからの攻撃が可能であることが確認されているのだ。
影響を受けるのはD-Link DIR-619L 2.04B04バージョンであり、攻撃者はcurTime引数を操作することでバッファオーバーフローを引き起こせる。この脆弱性は、既に開発元であるD-Link社に報告済みである。しかし、対象製品は既にサポート終了となっているため、パッチ提供は期待できないだろう。
CVSSv4のスコアは8.7(HIGH)、CVSSv3.1とCVSSv3.0のスコアは8.8(HIGH)と評価されており、深刻なセキュリティリスクであると言える。この脆弱性を悪用されると、システムのクラッシュや、より深刻なセキュリティ侵害につながる可能性があるのだ。
脆弱性詳細と影響範囲
項目 | 詳細 |
---|---|
脆弱性名 | CVE-2025-4451 |
影響を受ける製品 | D-Link DIR-619L 2.04B04 |
脆弱性の種類 | バッファオーバーフロー |
影響を受ける関数 | formSetWAN_Wizard52 |
攻撃ベクトル | リモート |
CVSSv4スコア | 8.7 (HIGH) |
CVSSv3.1スコア | 8.8 (HIGH) |
CVSSv3.0スコア | 8.8 (HIGH) |
ベンダー | D-Link |
報告者 | zjy148909 (VulDB User) |
バッファオーバーフローについて
バッファオーバーフローとは、プログラムがデータ格納領域(バッファ)の境界を超えてデータ書き込みを行う脆弱性のことだ。これは、プログラムがバッファのサイズを適切にチェックせずにデータを受け入れる場合に発生する。
- 予期せぬプログラムの動作
- システムクラッシュ
- 任意のコード実行
バッファオーバーフローは、攻撃者が悪意のあるコードを実行させる可能性があるため、非常に危険な脆弱性である。適切な入力検証やバッファサイズチェックを行うことで、この脆弱性を防ぐことが重要だ。
CVE-2025-4451に関する考察
本脆弱性は、既にサポートが終了している製品に存在するものであり、D-Link社によるパッチ提供は期待できない。そのため、影響を受けるユーザーは、製品の交換または代替製品への移行を検討する必要があるだろう。この脆弱性の発見は、サポート終了製品のセキュリティリスクを改めて認識させるものだ。
今後、同様の脆弱性が他のサポート終了製品でも発見される可能性がある。企業は、サポート終了製品の使用を継続するリスクを評価し、適切な対策を講じる必要がある。定期的なセキュリティ監査や、脆弱性情報の迅速な対応体制の構築が重要となるだろう。
本件を教訓に、企業は製品のライフサイクル全体を通してセキュリティを考慮した開発・運用を行うべきだ。また、ユーザーは、常に最新のセキュリティ情報に注意し、古い製品の使用を避けるべきである。セキュリティ対策は、企業とユーザー双方にとって重要な課題なのだ。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-4451」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-4451, (参照 2025-05-15).