
目次
記事の要約
- ENECHANGEとインフォメティスが電力系統課題解決に向けた協業を開始
- 両社はDR及び需要家向けサービスの相互連携に関する覚書を締結
- ENECHANGEのDRサービスにインフォメティスの見える化サービスを導入
ENECHANGEとインフォメティスによる協業開始
ENECHANGE株式会社とインフォメティス株式会社は2025年5月15日、電力系統の課題解決に向けた協業を開始したことを発表した。両社は「DR及び需要家向けサービスの相互連携に関する覚書」を締結し、サービスの相互連携を行うことで合意しているのだ。
協業の背景には、電力系統が抱える課題の解決にDR(デマンドレスポンス)やVPP(バーチャルパワープラント)の活用が重要であるという認識がある。両社は保有するサービスの相互連携を通じて、必要な情報の提供や協議を行うことで、安定した電力供給と再生可能エネルギーの活用に貢献していくことを目指している。
協業の第一弾として、ENECHANGEのDRサービス「エネチェンジクラウド DR」にインフォメティスの「簡易電力使用状況見える化サービス(NILM Lite)」が導入される。これにより、DRの普及促進と需要家の増加、ひいては社会全体の安定した電力供給の実現に繋がるだろう。
協業内容とサービス詳細
項目 | ENECHANGE | インフォメティス |
---|---|---|
会社名 | ENECHANGE株式会社 | インフォメティス株式会社 |
所在地 | 東京都中央区京橋3−1−1 東京スクエアガーデンWeWork内14階 | 東京都港区芝公園一丁目8番20号 |
サービス名 | エネチェンジクラウド DR | 簡易電力使用状況見える化サービス(NILM Lite) |
サービス概要 | 小売電気事業者向けDRサービスSaaS | スマートメーターデータを用いた電力使用状況見える化サービス |
主な機能 | 使用量自動連携、ベースライン計算、シフト量計算、ポイント付与計算、お客様マイページ、メール通知、管理画面及び分析画面の提供、オプション:ネイティブアプリ、機器(エアコン等)自動制御対応 | AI技術を用いた機器別電力使用量推定、需要家プロファイリング機能拡充 |
デマンドレスポンス(DR)について
デマンドレスポンス(DR)とは、電力需要のピーク時に電力消費量を削減することで、電力系統の安定化を図る仕組みである。再生可能エネルギーの普及拡大に伴い、電力供給の変動が大きくなるため、DRの重要性が増しているのだ。
- 電力需要のピーク抑制
- 電力系統の安定化
- 再生可能エネルギーの有効活用
DRは、電力会社と需要家の協調によって実現される。需要家は電力会社からの指示に従って電力消費量を調整し、その見返りに経済的なインセンティブを受け取る場合が多い。
ENECHANGEとインフォメティス協業に関する考察
ENECHANGEとインフォメティスの協業は、電力系統の安定化と再生可能エネルギーの普及促進に大きく貢献するだろう。両社のサービス連携により、DRの普及が加速し、より多くの需要家がDRに参加しやすくなることが期待できる。しかし、データセキュリティやプライバシー保護といった課題への対応も重要となるだろう。
今後、電力需給バランスの最適化や、より高度な需要予測技術の開発が求められる。AIやIoT技術を活用した、より精緻な電力需給管理システムの構築が、今後の課題の一つとなるだろう。また、DR参加者の増加に伴い、インセンティブ設計や参加者への情報提供方法の改善も必要となるだろう。
両社は、それぞれの強みを活かし、電力システムのDX化を推進していくことが期待される。スマートメーターデータの活用やAI技術の高度化によって、より効率的で持続可能なエネルギーシステムの実現に貢献していくことを期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「ENECHANGE、電力系統の課題解決のためインフォメティス株式会社と協業を開始 | ENECHANGE株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000444.000017121.html, (参照 2025-05-15).