目次
記事の要約
- Netgear JWNR2000v2の脆弱性CVE-2025-4121が公開された
- cmd_wirelessコマンドへの引数操作でコマンドインジェクションが発生する
- バージョン1.0.0.11が影響を受ける
Netgear JWNR2000v2の脆弱性情報
VulDBは2025年4月30日、Netgear JWNR2000v2バージョン1.0.0.11における深刻な脆弱性CVE-2025-4121を公開した。この脆弱性は、cmd_wirelessコマンドの引数hostを操作することで、リモートからコマンドインジェクションを実行できるというものだ。
脆弱性の影響を受けるのはNetgear JWNR2000v2のバージョン1.0.0.11であり、攻撃者はリモートからコマンドを実行できるため、システムの乗っ取りやデータ漏洩などの深刻な被害につながる可能性がある。ベンダーであるNetgear社には早期に情報開示が行われたものの、いかなる対応もなかったことが報告されている。
この脆弱性は、CWE-77(コマンドインジェクション)とCWE-74(インジェクション)に分類され、CVSSスコアは5.3(MEDIUM)と評価されている。攻撃の難易度が低く、リモートから実行可能なため、迅速な対策が必要だ。
脆弱性詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
CVE ID | CVE-2025-4121 |
発表日 | 2025-04-30 |
更新日 | 2025-04-30 |
影響を受ける製品 | Netgear JWNR2000v2 |
影響を受けるバージョン | 1.0.0.11 |
脆弱性の種類 | コマンドインジェクション |
攻撃方法 | リモート |
CVSSスコア | 5.3 (MEDIUM) |
CWE | CWE-77, CWE-74 |
報告者 | yummysoup2 (VulDB User) |
コマンドインジェクションについて
コマンドインジェクションとは、悪意のあるコードをアプリケーションに挿入し、予期せぬコマンドを実行させる攻撃手法である。この攻撃は、アプリケーションがユーザーからの入力を適切に検証・サニタイズせずに、直接コマンドとして実行してしまう場合に発生する。
- ユーザー入力の検証不足
- 入力値の適切なエスケープ処理の欠如
- パラメータ化されたクエリを使用しない
コマンドインジェクションを防ぐためには、ユーザー入力の検証、入力値のエスケープ処理、パラメータ化されたクエリの実装など、適切なセキュリティ対策を行う必要がある。
CVE-2025-4121に関する考察
Netgear JWNR2000v2におけるコマンドインジェクションの脆弱性は、リモートからの攻撃が可能であるため、非常に危険性が高い。迅速なパッチ適用が不可欠であり、ユーザーはNetgearからの公式な対応を待つべきだ。しかし、ベンダーからの対応が遅れる可能性も考慮し、暫定的な対策として、ルーターのファームウェアを更新するか、もしくはデバイスをネットワークから隔離するなどの対応も検討すべきだろう。
今後、同様の脆弱性が他のNetgear製品にも存在する可能性があるため、定期的なセキュリティアップデートの確認と適用が重要となる。また、開発者側には、セキュリティに関するコーディング規約の遵守と、セキュリティテストの実施を徹底することが求められる。脆弱性発見時の迅速な対応と、ユーザーへの情報提供も不可欠だ。
この脆弱性への対応は、単なるパッチ適用にとどまらず、セキュリティ意識の向上と、より安全なネットワーク環境の構築につながるだろう。企業は、セキュリティ対策への投資を継続し、ユーザーの安全を最優先に考える必要がある。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-4121」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-4121, (参照 2025-05-15).