アイティクラウド、SaaSセキュリティ情報活用に関する調査結果を発表、ベンダーと利用企業間のギャップを明らかに

アイティクラウド、SaaSセキュリティ情報活用に関する調査結果を発表、ベンダーと利用企業間のギャップを明らかに
PR TIMES より

記事の要約

  • SaaSベンダーのセキュリティ情報活用状況に関する調査結果を公開
  • ベンダーの69%がセキュリティ情報をマーケティングに活用できていない現状が判明
  • 利用企業の57%が導入時の最大懸念にセキュリティリスクを挙げている

SaaSセキュリティ評価に関するアンケート調査結果

アイティクラウド株式会社は2025年5月15日、B2B向けIT製品/SaaSのレビュープラットフォーム「ITreview」を運営する同社が、SaaSベンダーおよび利用企業を対象に実施したSaaSセキュリティ評価に関するアンケート調査の結果を公開した。この調査は、SaaS製品のセキュリティ情報を事前に公開・比較できるサービス「ITreview SaaSセキュアチェック」を提供する同社が、SaaSセキュリティ評価に関する現状や課題の把握を目的として実施されたのだ。

調査の結果、SaaSベンダーの69%が自社製品のセキュリティ情報を営業・マーケティングに活用できていないことが判明した。一方、SaaS利用企業の57%が導入時の最大懸念として「セキュリティリスク」を挙げていることから、両者の間にある情報のギャップが浮き彫りになった。多くのベンダーがセキュリティ評価シート対応に工数を費やしているにもかかわらず、その情報を十分に活用できていないという現状が明らかになったのだ。

さらに、SaaSベンダーの50%が「セキュリティ評価シート対応工数の多さ」を課題視していることも判明した。依頼数の増加、人員不足、情報保証責任などが営業活動のボトルネックとなり、導入プロセスの遅延や機会損失につながるケースも多いという。セキュリティ情報の公開に前向きなベンダーは55%に上るものの、「方法」に課題を感じている企業も多いことがわかった。

調査結果詳細

項目詳細
調査名「SaaSのセキュリティ評価」に関するアンケート
調査対象SaaSを提供・利用している企業の従業員
調査期間2025年2月27日~3月31日
調査方法インターネット調査
回答数SaaSベンダー209社、SaaS利用企業306社
ベンダーのセキュリティ情報活用状況活用できていない:69%
利用企業の導入時の最大懸念セキュリティリスク:57%
ベンダーのセキュリティ評価シート対応課題対応工数の多さ:50%
セキュリティ情報公開への前向きな姿勢公開したい:55%
ITreview SaaSセキュアチェック

セキュリティ評価シートについて

セキュリティ評価シートは、SaaS導入時に利用企業からベンダーへ提出が求められる書類だ。このシートへの対応は、ベンダーにとって大きな負担となっている。

  • 対応工数の多さ
  • 内容や書式の企業ごとの違い
  • 属人的な対応の非効率性

これらの課題を解決することで、ベンダーの営業効率向上と顧客信頼の向上に繋がるだろう。

SaaSセキュリティ情報活用に関する考察

今回の調査結果から、SaaSベンダーはセキュリティ情報をマーケティングに活用できていない一方、利用企業はセキュリティリスクを強く懸念していることが明らかになった。このミスマッチは、SaaS市場全体の透明性と成熟度を高める上で大きな課題だ。セキュリティ情報の適切な開示と活用は、ベンダーと利用企業双方にとってメリットが大きい。

今後、セキュリティ評価シートの標準化や、セキュリティ情報の共有・活用のためのプラットフォームの整備などが求められるだろう。ITreview SaaSセキュアチェックのようなサービスの普及も、この課題解決に貢献する可能性がある。セキュリティ情報の開示が当たり前となることで、SaaS市場全体の信頼性向上に繋がるのだ。

さらに、セキュリティ情報の活用方法に関する教育や支援体制の構築も重要となる。ベンダーがセキュリティ情報を効果的に活用できるようになれば、顧客への信頼構築や競合との差別化に繋がるだろう。結果として、SaaS市場全体の活性化に貢献するはずだ。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「セキュリティ情報は“守り”から“攻め”へ ~情報開示が競争力になる時代、SaaSに求められる新たな視点~ | アイティクラウド株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000129.000033567.html, (参照 2025-05-15).

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