シンガポール航空グループ、SAF調達契約締結で脱炭素化推進

シンガポール航空グループ、SAF調達契約締結で脱炭素化推進
PR TIMES より

記事の要約

  • シンガポール航空グループがSAF調達契約を締結
  • ネステ社からニートSAF1000トン、ワールドエナジー社からCORSIA適格SAF約2000トンを購入
  • 2025年第1四半期に完了し、9500トン以上のCO2排出量削減を見込む

シンガポール航空グループの持続可能な航空燃料(SAF)調達

シンガポール航空グループは2025年5月15日、持続可能な航空燃料(SAF)の調達に関する2つの契約締結を発表した。これは、同グループの脱炭素化に向けた取り組みの一環である。

まず、再生可能燃料メーカーであるネステ社から、国際航空のカーボンオフセットおよび削減スキーム(CORSIA)において認証を受けたニートSAFを1,000トン購入している。このSAFはネステ社のシンガポール国内工場で製造され、チャンギ国際空港で搭載されたのだ。

さらに、米国を拠点とするSAFメーカーであるワールドエナジー社から、ブックアンドクレーム方式の流通管理モデルを利用して、CORSIA適格SAFを約2,000トン、排出削減量として購入している。これにより、燃料の物理的な輸送を行うことなく、関連する排出削減量を計上できるようになった。

これらの契約は2025年第1四半期に完了しており、9,500トン以上の二酸化炭素排出量の削減が見込まれる。

SAF調達契約の詳細

サプライヤーSAFの種類数量(トン)調達方法
ネステ社ニートSAF(CORSIA認証済)1,000直接購入
ワールドエナジー社CORSIA適格SAF約2,000ブックアンドクレーム方式

持続可能な航空燃料(SAF)について

SAFは、再生可能資源または廃棄物由来の原料から製造される従来のジェット燃料の低炭素代替燃料である。

  • 燃料のライフサイクルベースで温室効果ガス排出量を最大80%削減可能
  • 従来のジェット燃料と混合可能
  • CORSIA適格燃料として認定

SAFの利用拡大は、航空業界の脱炭素化に大きく貢献するだろう。

シンガポール航空グループのSAF調達に関する考察

シンガポール航空グループによるSAFの積極的な調達は、航空業界の脱炭素化に向けた重要な一歩であると言える。多様なサプライヤーとの連携や、異なる調達モデルの活用は、SAF供給網の強化と安定化に繋がるだろう。しかし、SAFの生産コストや供給量の増加が課題となる可能性もある。

今後、SAFの価格低下や生産量の増加、そして技術革新による更なる効率化が期待される。同時に、SAFの認証システムの透明性向上や、国際的な枠組みの整備も重要となるだろう。これらの課題への対応が、航空業界全体の脱炭素化の成功を左右するのだ。

シンガポール航空グループは、Green Fuel Forwardキャンペーンへの参加など、SAF普及にも積極的に取り組んでいる。この取り組みが、アジア太平洋地域におけるSAF需要拡大の牽引役となることが期待される。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「シンガポール航空グループ、ネステ社およびワールドエナジー社と提携し、脱炭素化の取り組みを推進 | シンガポール航空のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000094.000043096.html, (参照 2025-05-15).

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