
目次
記事の要約
- クリタグループの温室効果ガス排出削減目標がSBT認定を取得
- 2030年までにScope1および2で80%削減、Scope3で30%削減
- 2050年までにバリューチェーン全体でGHG排出量をゼロに
クリタグループの温室効果ガス排出削減目標がSBT認定を取得
栗田工業株式会社(以下、クリタ)は、クリタグループの温室効果ガス(GHG)削減に係る短期および長期目標が、Science Based Targets initiative(SBTi)よりSBT認定を取得したことを2025年4月30日に発表した。この認定は、クリタグループが掲げる2030年までの短期目標と2050年までの長期目標の妥当性が認められたものだ。
クリタグループは、企業ビジョンとして「持続可能な社会の実現に貢献する『水の新たな価値』の開拓者」を掲げ、サステナビリティを経営の中核に位置づけている。重要課題として「クリタグループのマテリアリティ」を特定し、その共通価値テーマの一つに「脱炭素社会実現への貢献」を掲げているのだ。
産業・社会におけるGHGの削減に資するソリューションの開発・提供と低炭素な事業活動の実践を通じて、サプライチェーン全体におけるGHG排出削減目標を設定している。気候変動などの環境課題解決の要請や加速する事業環境への変化に対応しながら、持続可能な社会実現への貢献を目指す。
クリタグループのGHG削減目標
目標 | 内容(基準年2019年度比) |
---|---|
短期目標(2030年まで) | Scope1および2で80%削減、Scope3で30%削減 |
長期目標(2050年まで) | バリューチェーン全体でGHG排出量をゼロ |
Science Based Targets initiative(SBTi)について
Science Based Targets initiative(SBTi)とは、企業が設定する温室効果ガス削減目標が、科学的な根拠に基づいているかを評価し、認定する国際的なイニシアティブのことを指す。以下のような特徴がある。
- 気候変動対策の推進
- 企業の長期的な成長を支援
- 投資家やステークホルダーへの信頼性向上
SBTiは、気候変動開示プロジェクト(CDP)、国連グローバルコンパクト、世界資源研究所(WRI)、We Mean Business Coalition(WMB)、世界保護基金(WWF)などのパートナー団体によって設立された。企業の気候変動対策を促進し、持続可能な社会の実現に貢献している。
SBT認定取得に関する考察
クリタグループがSBT認定を取得したことは、同社の環境に対する取り組みが国際的に認められたことを意味し、企業価値の向上に繋がるだろう。特に、Scope3を含むサプライチェーン全体のGHG排出量削減目標を設定している点は、脱炭素社会の実現に向けた積極的な姿勢を示していると言える。
今後の課題としては、目標達成に向けた具体的な施策の実行と、その進捗状況の透明性の確保が挙げられる。再生可能エネルギーの導入拡大や省エネルギー技術の開発、サプライヤーとの連携強化などが考えられるだろう。これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献することが期待される。
また、SBT認定取得を契機に、環境に配慮した製品やサービスの開発を加速させ、新たなビジネスチャンスを創出することも重要だ。水処理技術や省エネルギー技術など、クリタグループが持つ強みを活かし、脱炭素社会の実現に貢献する企業としての地位を確立することが期待される。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「クリタグループの温室効果ガス排出削減目標がSBT認定を取得 | 栗田工業株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000132866.html, (参照 2025-05-01).