
目次
記事の要約
- カゴメが茨城工場で上げDRを2025年4月より開始
- 太陽光発電由来の電力需給安定化に貢献
- アイスビルダー利用で電力使用量の約12%を日中に移行
カゴメが太陽光発電の電力需給安定化に向け上げDRを茨城工場で開始
カゴメ株式会社は、太陽光発電等の再生可能エネルギーで作られた電気の社会全体での利用拡大を目指し、2025年4月より茨城工場において「上げDemand Response」(上げDR)を開始する。これは、電気の供給過多による太陽光発電の出力抑制が想定される日および時間帯に、小売電気事業者等の要請に応じて日中の電気使用量を増やす取り組みだ。
太陽光発電の拡大に伴い、日中の供給量が増加し、供給過多時には出力抑制が行われている現状がある。太陽光発電は天候の影響を受けやすく、供給量の変動幅が大きいため、その調整が更なる拡大に向けた重要な課題となっている。
今回の取り組みでは、小売電気事業者の株式会社グローバルエンジニアリングと電気取次事業者のReivalue株式会社からの『上げDR』要請に応じ、茨城工場のアイスビルダーを利用して電力需要の調整を行う。アイスビルダーの稼働タイミングを調整し、電力使用量の約12%を日中に移行することが可能になった。
カゴメの上げDRの運用スキーム
項目 | 詳細 |
---|---|
小売電気事業者 | 株式会社グローバルエンジニアリング |
電気取次事業者 | Reivalue株式会社 |
対象工場 | 茨城工場 |
運用開始 | 2025年4月 |
Demand Response(DR)について
Demand Response(DR)とは、電力需要の調整を通じて電力系統の安定化を図る手法のことを指す。主な特徴は以下の通りだ。
- 需要家が電力使用パターンを調整
- 電力供給の安定化に貢献
- 再生可能エネルギーの導入促進
DRは、供給量に合わせてユーザーが需要量を調整する手法であり、電力会社からの要請を受け、供給過多が予想される日および時間帯に、ユーザーが需要量を増やすことを「上げDR」と呼ぶ。カゴメは、この上げDRを茨城工場で開始し、太陽光発電の電力需給安定化に貢献する。
上げDRに関する考察
カゴメが太陽光発電の電力需給安定化に向けて上げDRを開始することは、再生可能エネルギーの利用拡大に大きく貢献するだろう。特に、自社の工場で積極的にDRを導入する姿勢は、他の企業にとっても良い影響を与えるはずだ。しかし、上げDRの実施には、電力需要の予測精度や、アイスビルダーなどの設備稼働状況の管理が重要になる。
今後、上げDRをより効果的に運用するためには、AIを活用した電力需要予測システムの導入や、設備の遠隔監視・制御システムの構築が考えられる。また、DRに参加する企業が増えることで、電力系統全体の安定化に繋がる可能性もあるだろう。
さらに、将来的には、各家庭の電力需要を調整する仕組みを導入することで、より柔軟な電力需給バランスの実現が期待される。カゴメの今回の取り組みは、そのような未来に向けた重要な一歩となるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「太陽光発電で作られた電気の社会全体での利用拡大を目指して「上げDemand Response」(上げDR)の開始 | カゴメ株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000284.000099065.html, (参照 2025-05-01).