目次
記事の要約
- Ultimate Dashboardプラグインに管理者権限でのXSS脆弱性
- バージョン3.8.6未満で、権限を持つユーザーがスクリプト実行可能
- WPScanが脆弱性を発見し、CISA-ADPがデータ公開
Ultimate Dashboard 3.8.6未満に管理者権限でのXSS脆弱性
WPScanは、Ultimate Dashboard WordPressプラグインの3.8.6より前のバージョンに、管理者権限を持つユーザーがクロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃を実行できる脆弱性が存在することを2025年4月17日に発表した。この脆弱性により、管理者権限を持つユーザーが、`unfiltered_html` capabilityが無効になっている場合でも、悪意のあるスクリプトを実行する可能性がある。
この問題は、プラグインが設定を適切にサニタイズおよびエスケープしていないことが原因だ。これにより、攻撃者は悪意のあるJavaScriptコードを挿入し、他のユーザーのブラウザで実行させることが可能になる。
この脆弱性は、CVE-2025-1523として識別され、CVSSスコアは3.5(LOW)と評価されている。影響を受けるバージョンは、3.8.6より前のすべてのバージョンだ。
Ultimate Dashboardの脆弱性詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
CVE ID | CVE-2025-1523 |
脆弱性 | Stored XSS |
影響 | 管理者権限ユーザーによるスクリプト実行 |
対象 | Ultimate Dashboard WordPress plugin 3.8.6未満 |
CVSSスコア | 3.5 (LOW) |
クロスサイトスクリプティング(XSS)について
クロスサイトスクリプティング(XSS)とは、Webアプリケーションの脆弱性を利用して、悪意のあるスクリプトをユーザーのブラウザ上で実行させる攻撃手法のことを指す。XSSには主に以下の3種類がある。
- Stored XSS:サーバーに保存されたスクリプトが実行される
- Reflected XSS:リクエストに埋め込まれたスクリプトが即座に実行される
- DOM-based XSS:DOMを操作してスクリプトが実行される
XSS攻撃は、Cookieの窃取、Webサイトの改ざん、偽のログインフォームの表示など、様々な被害を引き起こす可能性がある。適切な入力値の検証とエスケープ処理を行うことで、XSS攻撃を防ぐことができる。
Ultimate DashboardのXSS脆弱性に関する考察
Ultimate DashboardプラグインのXSS脆弱性は、管理者権限を持つユーザーが悪意のあるスクリプトを実行できるという点で、WordPressサイトのセキュリティにとって深刻なリスクとなる。特に、マルチサイト環境では、`unfiltered_html` capabilityが無効になっている場合でも攻撃が可能であるため、注意が必要だ。
この問題に対する解決策としては、プラグインのアップデートが最も重要だ。開発者は迅速に修正版をリリースし、ユーザーは速やかにアップデートを適用する必要がある。また、WAF(Web Application Firewall)の導入や、定期的な脆弱性スキャンも有効な対策となるだろう。
今後は、プラグイン開発者に対して、より厳格なセキュリティ基準の適用と、脆弱性情報の早期公開を義務付けることが望ましい。また、ユーザー自身も、信頼できる開発者のプラグインを選択し、常に最新バージョンを使用するよう心がける必要があるだろう。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-1523」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-1523, (参照 2025-05-02).