目次
記事の要約
- Brocade Fabric OSの脆弱性CVE-2025-1976が公開
- Fabric OS 9.1.0~9.1.1d6にコードインジェクションの脆弱性
- ローカル管理者権限を持つユーザーによる任意コード実行が可能
Brocade Fabric OSの脆弱性CVE-2025-1976に関する情報公開
Broadcom社(旧Brocade Communications Systems LLC)は、2025年4月24日、Fabric OS 9.1.0~9.1.1d6におけるコードインジェクションの脆弱性CVE-2025-1976に関する情報を公開した。この脆弱性により、ローカル管理者権限を持つユーザーが、Fabric OS上で任意のコードを実行できる可能性があるのだ。
この脆弱性は、Fabric OSのバージョン9.1.0以降でルートアクセスが削除されたにもかかわらず、ローカルの管理者権限を持つユーザーが、依然として完全なルート権限で任意のコードを実行できる可能性があるという点にある。この脆弱性は、攻撃者がシステムを完全に制御し、機密データへのアクセスやシステムの破壊を行う可能性があるため、深刻なセキュリティリスクとなる。
Broadcom社は、この脆弱性に関する情報を公開し、ユーザーに対して迅速な対応を呼びかけている。具体的な対策としては、最新のFabric OSバージョンへのアップデートが推奨されている。このアップデートにより、脆弱性が修正され、システムのセキュリティが強化されるだろう。
CVE-2025-1976の主な情報
項目 | 詳細 |
---|---|
CVE ID | CVE-2025-1976 |
発表日 | 2025年4月24日 |
更新日 | 2025年4月24日、2025年4月30日 |
影響を受ける製品 | Brocade Fabric OS 9.1.0~9.1.1d6 |
脆弱性の種類 | コードインジェクション(CWE-94) |
CVSSスコア | 8.6 (HIGH) |
攻撃ベクトル | CVSS:4.0/AV:A/AC:L/AT:N/PR:L/UI:N/VC:H/VI:H/VA:H/SC:N/SI:N/SA:N |
Exploitation Status | ACTIVE (Automatable: no) |
参考URL | https://support.broadcom.com/web/ecx/support-content-notification/-/external/content/SecurityAdvisories/0/25602 |
コードインジェクション(CWE-94)について
コードインジェクション(CWE-94)とは、攻撃者が悪意のあるコードをアプリケーションやシステムに挿入し、実行させる脆弱性のことを指す。この脆弱性は、アプリケーションがユーザーからの入力データなどを適切に検証・処理せずに、そのまま実行してしまう場合に発生するのだ。
- 入力データの検証不足
- 出力データのエンコード不足
- セキュリティ対策の不備
コードインジェクションは、システムの乗っ取りやデータの漏洩、サービスの停止など、深刻な被害につながる可能性がある。そのため、アプリケーション開発においては、入力データの検証や出力データのエンコード、セキュリティ対策の徹底が非常に重要となる。
CVE-2025-1976に関する考察
Brocade Fabric OSにおけるコードインジェクションの脆弱性CVE-2025-1976は、ローカル管理者権限を持つユーザーを対象としているものの、その影響は非常に大きい。攻撃者はシステムを完全に制御できるため、機密データの窃取やシステムの破壊といった深刻な被害が発生する可能性があるのだ。
今後、この脆弱性を悪用した攻撃が増加する可能性も懸念される。そのため、Broadcom社の迅速な対応と、ユーザーによる最新のFabric OSバージョンへのアップデートが不可欠である。また、定期的なセキュリティ監査の実施や、セキュリティ意識の向上のための教育なども重要となるだろう。
さらに、将来的な対策としては、より厳格なアクセス制御の実装や、セキュアコーディングの徹底、そして、脆弱性発見のための自動化されたセキュリティテストツールの導入などが考えられる。これらの対策により、同様の脆弱性の発生を予防し、システムのセキュリティをより強固なものにしていく必要がある。
参考サイト/関連サイト
- CVE.「CVE Record: CVE-2025-1976」.https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-1976, (参照 2025-05-02).