
目次
記事の要約
- AIアプリ運用クラウドプラットフォーム「Squadbase」正式公開
- Streamlit、Next.jsなど対応、Gitプッシュで数分で社内限定URL発行
- セキュリティ強化、運用自動化、ログ解析・自動改善機能(2025年内予定)
株式会社QueueがAIアプリ運用クラウドプラットフォーム「Squadbase」を公開
株式会社Queueは2025年5月1日、社内向けAIアプリのセキュアな共有・運用を実現するクラウドプラットフォーム「Squadbase」を正式公開した。StreamlitやNext.jsといった主要なAIアプリ/Webフレームワークに対応し、Gitプッシュだけで本番運用が可能になる点が大きな特徴だ。コードをプッシュしてから数分後には、社内限定のURLが発行される。
「Squadbase」は、AWS/GCP上に20以上のサービスを組み合わせる必要があった従来のAIアプリ運用における構築・保守コストの削減、認証・権限管理の設定ミスによる業務データ流出リスクの軽減、利用ログやユーザーフィードバックの開発チームへの届かず改善サイクルの停滞といった課題を解決することを目指している。これらの課題は、近年増加している社内向けAIアプリの本番運用において大きな負担となっていたのだ。
同社は9年前より機械学習・AIソリューションの研究開発を行い、日本企業の多数プロジェクトを支援してきた実績を持つ。2022年のChatGPT登場を機にOSSフレームワーク「Morph」を開発し、AIアプリ開発の民主化にも取り組んできた。しかし、Morphを自社クラウド基盤にデプロイする過程で、フレームワークを問わず「安全に届け、継続的に改善する仕組み」の欠如を痛感し、「Squadbase」の開発に至ったという経緯がある。
「Squadbase」の主な機能と料金
機能 | 詳細 |
---|---|
デリバリー | ワンクリック・Gitプッシュデリバリー。squadbase.ymlまたはDockerfileをリポジトリに配置し、GitHub/GitLab連携で自動パイプライン起動 |
対応フレームワーク | Streamlit、Next.js、LangChain、Mastra、Vercel AI SDKなど |
セキュリティ | OIDC認証、データ暗号化、TLS1.2通信を標準装備。アプリ単位のRBAC設定とログ機能による厳格なアクセス管理 |
Observability & Feedback | デプロイから180秒で実行・アクセスログの収集・可視化ダッシュボードを提供。アプリ内にコメントボックスを自動挿入し、現場のフィードバックを開発者へ共有 |
料金 | 無料プラン(アプリ5本、チームメンバー5名まで)、有料プラン(従量課金制) |
クラウドPaaS「Squadbase」の技術概要
「Squadbase」は、StreamlitやNext.jsといった様々なフレームワークで構築された社内AIアプリを、安全かつ効率的に運用するためのクラウドプラットフォームだ。Dockerにも対応しており、開発者はインフラ構築の手間から解放され、開発に集中できる環境を提供する。
- 迅速なデプロイ
- 高度なセキュリティ機能
- 運用効率の向上
これらの機能により、開発者はAIアプリの開発と改善に集中でき、企業はDX推進を加速させることが可能になるだろう。
Squadbaseに関する考察
Squadbaseは、AIアプリ開発の民主化と運用効率化に大きく貢献するプラットフォームであると言える。開発者はインフラの心配をすることなく、AIアプリの開発に集中できるため、開発スピードの向上やイノベーションの促進に繋がるだろう。しかし、利用企業の増加に伴い、プラットフォームの安定性やセキュリティ対策の強化が課題となる可能性がある。
起こりうる問題としては、大規模なトラフィックへの対応や、高度なセキュリティ攻撃への対策が挙げられる。これらへの対策として、スケーラブルなインフラの構築や、継続的なセキュリティ監査の実施が重要となるだろう。また、多様なフレームワークへの対応や、AIによるログ解析・自動改善機能の精度向上も必要となるだろう。
今後追加してほしい機能としては、より高度なモニタリング機能や、カスタマイズ可能なダッシュボードなどが考えられる。また、他サービスとの連携機能の強化も期待したい。これらの機能強化により、Squadbaseはさらに使いやすく、より多くの企業のDX推進を支援するプラットフォームとなるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「次世代社内AIアプリ運用クラウドプラットフォーム「Squadbase」正式公開 | 株式会社Queueのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000118.000050750.html, (参照 2025-05-02).