目次
記事の要約
- ミマキエンジニアリングが新UVインク「ELH」「ELS」を発表
- SVHC・CMRフリーで環境・人に優しいインク
- 2025年6月以降順次販売開始予定
ミマキエンジニアリング、次世代UVインク「ELH」「ELS」を発表
株式会社ミマキエンジニアリングは、2025年5月1日、人の健康と環境に配慮した次世代UV硬化型インク「ELH」および「ELS」を発表した。これらのインクは、欧州REACH規制で定められるSVHC(高懸念物質)およびCMR(がん原性物質、変異原性物質、生殖毒性物質)に該当する物質を一切含まない処方を実現しているのだ。
近年、欧州における化学物質管理は強化されており、SVHCを含む製品には情報開示や報告義務、輸出入規制などが求められている。そのため、業界全体でSVHCフリー対応が急務となっている状況だ。ミマキエンジニアリングは、約20年にわたるUVインク開発の経験を活かし、業界に先駆けてCMRフリーも実現した。
「ELH」「ELS」は、従来製品と同等の高い耐擦過性や柔軟性を維持しつつ、臭気を約30%低減している。これにより、作業者にとってより安全で快適な作業環境を提供できるようになっているのだ。
ELH/ELSインクの製品仕様
インク名 | 特長 | 供給形態 | 色 |
---|---|---|---|
ELH | 高い耐擦過性 | 250mlボトル、1000mlボトル、220mlカートリッジ、600mlパック | C/M/Y/K/Lc/Lm/白/クリア |
ELS | 高い柔軟性 | 250mlボトル、1000mlボトル | C/M/Y/K/Lc/Lm/白/クリア |
UVインクについて
UVインクは、紫外線照射によって硬化するインクである。乾燥工程が不要で、様々な素材に対応できる高い汎用性が特長だ。
- 乾燥工程不要
- 様々な素材に対応可能
- 大判サイングラフィックス、工業製品、オーダーグッズなど幅広い用途
近年、環境規制の強化に伴い、安全性の高いUVインクの需要が高まっているのだ。
ミマキエンジニアリングの新UVインクに関する考察
ミマキエンジニアリングの新UVインク「ELH」「ELS」は、SVHC・CMRフリーを実現したことで、作業環境の安全性と環境への配慮という点で大きなメリットがある。これは、今後ますます厳しくなる環境規制に対応する上で重要な要素であり、顧客からの高い評価につながるだろう。しかし、新インクの価格が従来品より高くなる可能性も考えられる。価格設定によっては、顧客の導入障壁となる可能性もあるのだ。
価格以外にも、新インクの対応プリンターの範囲や、長期的な安定供給体制の確立が課題となるだろう。また、市場のニーズを的確に捉え、さらに機能性を向上させた新製品の開発も期待される。例えば、より多様な色展開や、特殊な用途に対応したインクの開発などが考えられる。
ミマキエンジニアリングは、今後も技術革新を続け、顧客のニーズに応える製品を提供し続けることが重要だ。その上で、環境問題への意識の高まりに対応し、持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待される。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「ミマキエンジニアリング、人と環境にさらに優しい次世代のUV硬化型インク「ELH」「ELS」を発売 | 株式会社ミマキエンジニアリングのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000108.000021708.html, (参照 2025-05-02).