
目次
記事の要約
- サトーとwinecodeが連携しRFIDタグ対応アプリ機能を提供開始
- 液体入りガラスボトルに対応したRFIDタグとアプリ機能で在庫管理効率化
- 飲食店での試験で約200本のワイン在庫を60秒未満で棚卸可能に
サトーとwinecodeによるRFIDワイン在庫管理アプリ機能提供開始
株式会社サトーは2025年5月2日、液体入りガラスボトルに対応したRFIDタグと連携可能な棚卸アプリ機能を、一般社団法人リレーションデザイン研究所が提供する業務用ワイン管理アプリ「winecode」内で提供開始したと発表した。この機能は、ワインインポーター、酒類メーカー、レストラン、ホテル、酒販店など、液体入りガラスボトルを扱う事業者の業務DXをサポートするものである。
飲食店や酒販店では、従来、ラベルの目視確認とExcelや紙による在庫管理が主流であった。しかし、ワインはワインセラーで1本ずつ保管され、手作業での確認が必要なため、棚卸作業には多くの時間と人材を要していた。今回のRFIDタグとアプリ機能により、ボトル管理業務の省力化とデジタル化が実現するのだ。
試験活用を行った飲食店では、本機能により約200本のワイン在庫を60秒未満で棚卸することができた。これにより、ワイン管理の大幅な改善と効率化が期待できる。サトーはRFIDタグ、winecodeはアプリ機能を提供し、両社の連携によって実現したソリューションだ。
RFIDワイン在庫管理アプリ機能詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
アプリ名 | winecode |
対応OS | Web、iOS、Android |
RFIDタグ | サトー製液体入りガラスボトルRFIDタグ |
対応プリンター | RFID対応ラベルプリンター SCeaTa CT4-LX RFID |
その他 | RFID対応ハンディリーダーも提案 |
RFID技術について
RFIDとは、無線通信を用いて個々のアイテムを識別する技術である。タグに埋め込まれたICチップに情報を書き込み、リーダーで読み取ることで、個々のアイテムを一意に識別することが可能になる。
- 非接触で読み取り可能
- 大量のアイテムを高速に処理可能
- 様々な情報記録が可能
RFID技術は、在庫管理、入出庫管理、資産管理など、様々な分野で活用されている。今回のワイン在庫管理システムも、RFID技術の利点を活かしたソリューションと言えるのだ。
サトーとwinecodeによるRFIDワイン在庫管理ソリューションに関する考察
本ソリューションは、ワイン在庫管理における課題を効率的に解決する優れたシステムである。RFID技術を用いることで、人手による棚卸作業の負担を大幅に軽減し、正確な在庫情報を迅速に取得できるようになった点は大きなメリットだ。しかし、導入コストやRFIDタグの耐久性、システムのメンテナンスといった課題も考慮する必要があるだろう。
起こりうる問題としては、RFIDタグの読み取りエラーやシステム障害によるデータの欠損などが考えられる。これらへの対策として、冗長化システムの構築や定期的なシステムメンテナンス、エラー発生時の迅速な対応体制の整備が重要となる。また、RFIDタグの価格や耐久性も導入を検討する上で重要な要素であり、コストパフォーマンスの高いRFIDタグの開発や、耐久性の向上も求められるだろう。
今後追加してほしい機能としては、リアルタイム在庫管理機能や、在庫状況に応じた発注システムとの連携などが考えられる。これにより、より高度な在庫管理を実現し、経営の効率化に貢献できるだろう。また、多様なボトル形状やサイズに対応できるRFIDタグの開発も期待したい。将来的には、ワイン以外の酒類や食品などへの適用拡大も期待できる。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「液体入りワインボトル専用RFIDタグに対応したアプリ機能が登場 | 株式会社サトーのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000006066.html, (参照 2025-05-03).