目次
記事の要約
- Proton 10.0-1(beta)をGitHubで公開
- wine-10.0、DXVK 2.6.1など多くの改善
- 多数のゲームの互換性向上とバグ修正
Proton 10.0-1(beta)リリース
Valveは、Linux上でWindowsゲームを実行するための互換レイヤーであるProtonの最新版、Proton 10.0-1(beta)を2025年5月2日にGitHubで公開した。このリリースは、多くのゲームの互換性の向上とバグ修正を含む重要なアップデートである。
Proton 10.0-1(beta)は、1月に正式リリースされたWindows互換レイヤーwine-10.0をベースに開発されている。DirectXをVulkanに変換するレイヤーであるDXVKもバージョン2.6.1にアップデートされており、パフォーマンスと安定性の向上が期待できるのだ。
さらに、このリリースではGrand Theft Auto V Enhancedのランチャーのハングアップ問題や、AMD GPUで発生していた特定のゲームのクラッシュ問題などが修正されている。以前はProton Experimentalでしか動作しなかったゲームも、このバージョンで動作するようになった。
Proton 10.0-1(beta)の変更点
項目 | 詳細 |
---|---|
ベース | wine-10.0 |
DXVKバージョン | 2.6.1 |
対応ゲーム追加 | Batman: Arkham Asylum Game of the Year Editionなど |
バグ修正 | Grand Theft Auto V Enhanced、AMD GPU関連など多数 |
その他 | カスタムdinput8.dll対応、Steam OverlayのEAC EOSゲーム対応など |
Protonについて
Protonは、Valveが開発した互換レイヤーであり、Linux環境でWindowsゲームを実行可能にする技術だ。Steam Deckにも搭載されており、Linuxユーザーに幅広いゲームを提供する上で重要な役割を果たしている。
- Wineをベースとした互換レイヤー
- DirectXをVulkanに変換
- 多くのWindowsゲームに対応
Protonは継続的にアップデートされており、互換性とパフォーマンスの改善が図られている。今後も多くのゲームがProtonに対応し、Linuxゲーム環境がさらに充実していくことが期待される。
Proton 10.0-1(beta)に関する考察
Proton 10.0-1(beta)における多くのバグ修正と互換性向上は、Linuxゲーマーにとって大きなメリットとなるだろう。特に、これまで動作しなかったゲームがプレイできるようになったことは、ユーザー体験の向上に大きく貢献する。しかし、全てのゲームが完璧に動作するとは限らないため、一部のゲームでは依然として問題が発生する可能性がある。
今後起こりうる問題としては、新しいゲームの対応遅れや、アップデートによる互換性の低下などが考えられる。これらへの対策としては、コミュニティからのフィードバックを積極的に取り入れ、迅速な対応を行うことが重要だ。また、開発者向けに、Protonへの対応を容易にするためのガイドラインやツールを提供することも有効だろう。
今後追加してほしい機能としては、より高度なグラフィック設定のサポートや、特定のゲームに特化した最適化などが挙げられる。また、Protonの開発プロセスをより透明化し、ユーザーが開発状況を把握できるような仕組みを作ることで、信頼感の向上に繋がるだろう。Valveによる継続的な開発とコミュニティの協力によって、Protonはさらに進化し、Linuxゲーム環境をより魅力的なものにしていくと期待している。
参考サイト/関連サイト
- Valve.「Release Proton 10.0-1 (beta) · ValveSoftware/Proton · GitHub」.https://github.com/ValveSoftware/Proton/releases/tag/proton-10.0-1b, (参照 2025-05-04).