Google Workspaceアドオン、粒度のあるOAuth同意を導入 ユーザーデータの制御強化

記事の要約

  • Google WorkspaceアドオンのOAuth同意画面が刷新された
  • HTTPエンドポイントを使用するアドオンに粒度のあるOAuth同意が導入された
  • ユーザーは必要な権限のみを選択的に付与できるようになった

Google WorkspaceアドオンのOAuth同意画面刷新に関する発表

Googleは2025年5月6日、HTTPエンドポイントを使用するGoogle Workspaceアドオン向けに、粒度のあるOAuth同意のロールアウトを開始したと発表した。このアップデートにより、ユーザーはサードパーティアプリケーションと共有するデータについて、より明確な選択肢を持つことができるようになったのだ。

この更新は、今年初めにGoogle Apps Script IDEで粒度のあるOAuth同意が導入されたアップデートと同様である。HTTP Workspaceアドオンをインストールまたは実行する際に、ユーザーは再設計された同意画面が表示される。一度にすべての要求された権限を承認するよう求められるのではなく、ユーザーは個々のOAuthスコープへのアクセスを選択的に許可できるようになったのだ。

例えば、Google Workspaceアドオンは複数のWorkspaceアプリに拡張できるが、ユーザーはアドオンを一部のアプリでのみ使用する場合がある。粒度のある同意により、ユーザーはアドオンへのすべての権限を付与するか、各アプリでアドオンを使用する際に必要に応じて権限を付与するかを選択できるのだ。

この新しいOAuth同意画面は、ユーザーが要求されたOAuthスコープのサブセットに対する同意を提供できるようにする。ユーザーは、要求されたすべてのスコープに一度に同意するのではなく、個々のスコープを選択して同意できるようになっている。

OAuth同意画面刷新に関する詳細情報

項目詳細
発表日2025年5月6日
対象HTTPエンドポイントを使用するGoogle Workspaceアドオン
新機能導入期限(新規アドオン)2025年5月27日
既存アドオンへの対応期限2025年12月1日
ロールアウト期間2025年5月6日~2025年5月19日(予定)
適用除外管理者によるアドオンの初期インストール、管理者によるAdmin consoleからの権限更新、Apps Scriptで構築されたGoogle Workspaceアドオン
利用可能範囲すべてのGoogle Workspace顧客とWorkspace Individual Subscribers
開発者向けドキュメント

OAuthスコープについて

OAuthスコープとは、アプリケーションがアクセスできるGoogle Workspaceデータの範囲を定義するものである。このアップデートでは、ユーザーは個々のOAuthスコープへのアクセスを許可または拒否できるようになった。これにより、ユーザーはアプリケーションにアクセスを許可するデータ範囲を細かく制御できるのだ。

  • ユーザーは、必要なスコープのみを許可できる
  • 不要なデータへのアクセスを制限できる
  • セキュリティとプライバシーの向上に繋がる

粒度のあるOAuth同意は、ユーザーのプライバシー保護とセキュリティ強化に大きく貢献する。ユーザーは、アプリケーションがアクセスできるデータ範囲をより細かく制御できるため、安心してGoogle Workspaceアドオンを使用できるのだ。

Google WorkspaceアドオンのOAuth同意画面刷新に関する考察

今回のGoogle WorkspaceアドオンにおけるOAuth同意画面の刷新は、ユーザーのデータプライバシーに対する意識の高まりと、それに伴うセキュリティ強化のニーズに応える重要なアップデートである。ユーザーは、より詳細な権限管理が可能になり、安心してサードパーティアプリケーションを利用できるようになったのだ。しかし、既存のアドオン開発者にとっては、対応期限までに粒度のあるOAuth同意への対応が求められるため、開発リソースの確保や開発期間の調整が必要となる可能性がある。

今後、ユーザーが誤って必要な権限を許可しなかった場合、アドオンの機能が制限される可能性がある。この問題を解決するためには、ユーザーに対して、必要な権限とそれらがどのような機能に関連しているかを明確に伝えるためのガイドラインやヘルプドキュメントの充実が重要となるだろう。また、アドオン開発者側も、ユーザーフレンドリーな同意画面のデザインや、権限要求の明確化に努める必要がある。

さらに、将来的には、管理者によるアドオンの初期インストールやAdmin consoleからの権限更新についても、粒度のあるOAuth同意が適用されることが期待される。これにより、管理者もより詳細な権限管理が可能になり、組織全体のセキュリティレベルが向上するだろう。Googleには、ユーザーと開発者双方の利便性を考慮した、より安全で使いやすいシステムの構築を期待したい。

参考サイト/関連サイト

  1. Google Workspace.「 Google Workspace Updates: Granular OAuth consent in HTTP Google Workspace add-ons 」.https://workspaceupdates.googleblog.com/2025/05/granular-oauth-consent-in-http-google-workspace-add-ons.html, (参照 2025-05-08).

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